1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452050
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中塚 宏樹 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (10111915)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大成 誠之助 筑波大学, 物理工学系, 教授 (70015824)
|
Keywords | 超短光パルス / 半導体レーザー / モード同期 / レーザー増幅 / 反射防止膜 / インコヒーレント光フォトンエコー |
Research Abstract |
前年度において,市販半導体レーザーに反射防止膜をコートして,外部共振器を構成し,モード同期発振させることによって,パルス幅10ps,エネルギー10pJ,繰り返し周波数100MHzの超短光パルスを得た。本年度は,これをQスイッチYAGレーザーの第2高調波で励起した色素セルで,増幅することを試みた。QスイッチYAGレーザーの繰り返し周波数は約1Hzであり、半導体レーザーの超短光パルスと,同期をとるための,周期回路を製作した。増幅用色素セルからのASEが,半導体レーザー素子を破壊することを防止するために,光アイソレーターを使用した。パルス幅30ps,パルスエネルギー10pJの半導体レーザーパルスを,約30mJのQスイッチYAGレーザーの第2高調波パルスで,アセトン中のLDS765色素セルを励起することによって,1段増幅約10^6倍の増幅度が得られた。 増幅後の光パルスのパルス幅は約40ps,パルスエネルギーは約40pJであった。 ただし,増幅度が不安定でショットごとのバラツキが大きかったので,QスイッチYAGレーザーの第2高調波による励起光を2つの増幅用色素セルに分けた2段増幅を試みたが,今のところ改善はみられていない。以上まだ不満足な点も残るが,半導体レーザーを用いた簡便な方法で,超短光パルスを得る方法が確立された。 一方前年度に引きつづき,光半導体素子を用いたインコヒーレント光フォトンエコーの実験も継続して行い,本年度は非レーザー光(通常の発光ダイオード)ではじめてフォトンエコーの観測に成功した。非レーザー光源では,スペクトル幅の広い光源が容易に得られ,極めて高い時間分解能が期待されるとともに,レーザー光が得難い波長域への,フォトンエコーの拡張が可能となる。
|
-
[Publications] T.Hattori: "Spatially parallel picosecond optical data storage using persistent hole burning" Optics Communications. 92. 225-228 (1992)
-
[Publications] K.M.Abedin: "Amplikication of semiconductor laser to kilowatt pulses by using YAG laser pumped dye cell" The Review of Laser Engineering (Japan). 20. 806-812 (1992)
-
[Publications] S.Uemura: "Host-structure-dependent non-Lorentzian persistent-hole shapes in organic glasses" Physical Review B. 46. 10641-10649 (1992)
-
[Publications] 中塚 宏樹: "永続的ホールバーニングを用いたピコ秒時間・空間ホログラフィー" 光学. 印刷中.
-
[Publications] 中塚 宏樹: "半導体レーザーを用いた高時間分解分光" レーザー研究. 19. 609-618 (1991)
-
[Publications] R.Yano: "Supnluminescent diode excitation of kemtosecond accumnlated photon echoes" Journal of Optical Society of America B. 8. 1093-1097 (1991)