1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452073
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
芳賀 信彦 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (60011748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩谷 健治 姫路工業大学, 理学部, 助手 (70237907)
大政 正明 姫路工業大学, 理学部, 教授 (30092159)
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Keywords | 炭酸塩岩 / カソードルミネッセンス / 蛍光X線分析 |
Research Abstract |
本年度は、ブラジル南部のカーボナタイト-アルカリ岩複合岩体地域の、Arax〓とJacupiranguaより採取したカーボナタイト試料を使い、カソードルミネッセンス(=CL)、シンクロトロン放射光X線をプローブ源としたマイクロビーム蛍光X線分析(SR-XRF)による実験を行った。その結果、カーボナタイト試料の鉱物の微細集合の微量元素の分布を明らかにすることができた。顕微鏡用CL装置を使い、ルミネッセンスの波長の差異を識別することにより、方解石中のドロマイトの離溶部分を容易に識別できた。CLの波長は色で識別できるが正確な波長は分光器を用いて測定した。りん灰石もCLによる白から青の発光を示し、Mn^<2+>,REEが僅かに含まれることがわかった。炭酸塩鉱物の活性化剤もMn^<2+>である。さらに、SR-XRFによる微量分析を行い、Mn,Fe,P,Sなどのppmオーダーの元素の分布を調べた。その結果、P,Sは方解石側に多く、Mn,Feはドロマイト側に多く分布することがわかった。Mn,Feは炭酸塩マグマのより後期のステージであるMg-カーボナタイト中に富んでくるので傾向が一致していることがわかる。またREEは元素の特定はできなかったが、りん灰石中に分布していることが示され、CLの結果を裏付けている。微量のMnが炭酸塩鉱物中で、どのような形で入っているのかを調べるため、MnのK-吸収端付近のXANES(X線吸収端近傍構造)を蛍光法により測定した。金属Mn,MnO,Mn_2O_3,Mn_3O_4,MnO_2,菱マンガン鉱(MnCO_3)などを標準物質として、隣接している方解石とドロマイトについて測定した結果、価数は2価で、菱形マンガン鉱のパターンに一致するので各々の鉱物中ではCaやMgのサイトを置き換えて存在していることが明らかになった。またMnの価数が2価であることはCLの結果と一致する。以上、カーボナタイトの変質過程を議論するうえで重要な微量元素分布の詳細な情報を得ることができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 芳賀 信彦: "鉱物における非調和熱振動" 姫路工業大学研究報告. 4. 25-34 (1993)
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[Publications] 萩谷 健治: "The Modurated Structure of Synthetic Co‐〓kermanite,Ca_2CoSi_2O_7" Acta Crystallographica. B49. 172-178 (1993)
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[Publications] 萩谷 健治: "Change of Structure of Co‐〓kermanite at elevated Temperatures" Acta Crystallographica. AS49. 340-340 (1993)