1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452078
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
万波 通彦 京都大学, 工学部, 教授 (60025294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤居 義和 京都大学, 工学部, 助手 (80238534)
鈴木 康文 京都大学, 工学部, 助手 (00196784)
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Keywords | 表面ブロッキング / 斜入射イオン散乱 / 電子移行反応 / 表面阻止能 / 表面欠陥 |
Research Abstract |
昨年度製作した斜入射型90゚扇形磁場エネルギー分析器を使用して、0.5MeVHeイオンをSnTe(001)表面に入射したときの表面ブロッキングイオンのエネルギー損失の測定を行った。その結果、これまで鏡面反射法で求めることができなかった表面ごく近傍の阻止能を評価することができた。また、得られた表面阻止能を用いて、表面ブロッキングイオンのエネルギー損失を計算機シミュレーションにより計算したところ、表面ステップが存在すると表面ブロッキングイオンのエネルギー損失が小さくなることを見いだした。これを利用して表面ステップ密度を評価することが可能であることを示した。 高分解能斜入射型90゚扇形磁場分析器を用いて、同じく0.5MeVHeイオンをSnTe(001)表面に入射したときの表面ブロッキングイオンの荷電分布を測定した。この分析器により、表面原子で散乱されたイオンだけを選び出して測定することができた。この結果、表面近傍における高速イオンの電子移行反応を調べることができた。(Phys.Rev.Lett.68(1992)3797) 高速イオンの斜入射散乱法に適した小型の高分解能電磁石エネルギー分析器を設計、製作した。これを用いて、表面チャネリングイオンのエネルギー損失を測定して、表面阻止能のうちで、表面電子の集団励起に対応する部分を実験的に求めることができた。(Phys.Rev.A,Vo1.47,No.3印刷中)また、HeH^+分子イオンの単結晶表面における斜入射散乱の研究から、従来理論的に研究されていた表面ウェイクの存在を実験的に示すことができた。(J.Phys.Soc.Jpn.61(1992)3535)
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kenji KIMURA: "Charge-State Distribution of MeV He Ions Scattered from the Topmost Atomic Layer of the SnTe(001) Surface" Physical Review Letters. 68. 3797-3800 (1992)
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[Publications] Y.Fujii: "Position-dependent stopping powers of the (100) surfaces of NaCl-type crystals for MeV light ions" Surface Science. 277. 164-172 (1992)
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[Publications] Yasufumi Susuki: "Dissociation of MeV HeH^+ Ions at Glancing Angle Incidence on Clean (001) Surface of SnTe" Journal of Physical society of Japan. 61. 3535-3546 (1992)
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[Publications] 木村 健二: "表面航跡:高速イオンに対する固体表面電子の集団応答" 日本物理学会誌. 47. 555-562 (1992)
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[Publications] Yoshikazu Fujii: "Energy loss of 0.7-MeV He ions due to the dynamic response of surface electrons" Physical Review A, 印刷中. 47. (1993)
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[Publications] 木村 健二: "高エネルギーイオン散乱を用いたモノレイヤーアナリシス" 表面科学. 14. (1993)