1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452086
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
芳野 俊彦 群馬大学, 工学部, 教授 (90013169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 佳孝 群馬大学, 工学部, 助手 (30216767)
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Keywords | 光熱効果 / アクチュエ-タ / レイリ-波 |
Research Abstract |
光誘導アクチュエ-タ用材料として,素材の基礎物性(熱膨張率,熱伝導率,熱拡散率など)を検討し,アルミニウム,ステンレス,銅などの金属材料,SiC,A1203などのセラミックス系材料等を候補素材とした. これらにアルゴンレ-ザを用いて強度変調した種々の発振波長の光照射を行い,熱エネルギ-により誘起される熱弾性表面波の振幅,周波数特性などの測定を行った。この結果,熱エネルギ-に変換されるレ-ザ-光の吸収は主として照射された材料表面で生じるため,この部分での熱膨張によって熱弾性表面波が誘起されることがわかり,フォトサ-マル効果の理論が確かめられた.この波源の強度は照射レ-ザパワ-にほぼ比例しており,さらに照射パワ-を高めていくと固体表面の融除を引き起こす.この閾値以下では,熱弾性膨張が支配的であり,閾値以上では,融除からの垂直力と熱弾性膨張による平行な力の両方を含んでいるということがわかった. このようにして生じる熱弾性表面波は,固体に於いては特にレイリ-波と呼ばれており,表面付近の微小部分が小さな円軌道を描いて運動していると考えられる.したがってこの波の波頭部分のみに接する物質は,進行波と同一方向に一定の推力を受けることになり,この推進力を光誘導アクチュエ-タの動力源とすることができるといえる. 次年度では未検討の素材(PLZT,バイメタルなど)の特性評価をさらに行い,本年度の実験から得られた結果と合わせ踏まえ,ステ-ジ用材料を効率的に励起するための種々のパラメ-タ(形状,誘起光出力,誘起光長,励起周波数,温度など)を決定する.さらに熱弾性表面波の指向性を高めるための方式を検討し,光誘導アクチュエ-タの初期設計を行い,それから得られた最適条件を理論的に検証する.
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