1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452090
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山口 一郎 理化学研究所, 光工学研究室, 主任研究員 (70087443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 佳子 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50231212)
加藤 純一 理化学研究所, 光工学研究室, 研究員 (70177450)
岡本 隆之 理化学研究所, 光工学研究室, 研究員 (40185476)
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Keywords | Bacteriorhodopsin / Dynamic holography / Phase conjugation / Polarization |
Research Abstract |
光受容タンパク質、バクテリオロドプシン(bR)は、ホログラム記録材料として大きな試料の作成が容易、高速応答、高感度、高解像力という利点だけでなく、時間応答性が制御可能で目的による機能選択の自由度をもつ媒質である。また高い光誘導異方性(二色性および複屈析)も有するので、偏光の直交する2光束による偏光ホログラムが記録できる。 本年度はbRの偏光記録再生機能を解明することを目的として、実時間偏光ホログラフィ-の1種である位相共役波発生実験を行った。2つのポンプ光が同じ向きの円偏光の場合にはプロ-ブ光と偏光状態が同じで完全時間反転波を発生し、偏光を含めた位相共役波が発生されることがわかった。また2ポンプ光が直交する直線偏光の場合に発生する位相共役波はプロ-ブ光の偏光に直交しており、bRが半波長板の機能をもつことが示された。さらにlonesベクトルを用いて任意の偏光に対する反射率の理論計算を行い、これがすべての実験結果を定量的によく説明することを示した。 このようにbRにより光波の振幅、位相のみならず偏光状態を記録できることを利用した偏光多重記録や、残留応力などによる複屈折効果の補正などへの応用を検討した。
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