1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452091
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
井上 多門 筑波大学, 物理工学系, 教授 (10168453)
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Keywords | 計算機トモグラフィ / 画像再構成 / 非破壊検査 / 投影デ-タ / X線 / 中性子線 / 磁気共鳴映像法 / 超解像 |
Research Abstract |
産業用計算機トモグラフィ(CT)の実用計算に適した画像再構成アルゴリズムの研究において、デ-タの変動成分の特徴に対する再構成画像の計算精度の依存性について詳細な検討を行なった.とくに、逆投影と高域強調フィルタ-を組み合わせた現在最も標準的な方法において、演算処理の線型性にも拘らず有限精度計算では、演算処理の順序の影響が結果に表れることをシミュレ-ションにより確認することができた.この結果は、各種産業用CTにおいて、制限されたAーD変換器を用いた場合の最適化されたアルゴリズムを得るための有効な指針を与えるものと考えられる. また、産業用CTにおいてしばしば表れる不完全投影再構成問題の研究では、X線CTの場合の制限角度投影再構成問題を拡張して、磁気共鳴映像法(MRI)における超解像の問題を解析した.とくに、投影再構成方式の場合には、k空間における状況がCTの場合にそのまヽ対応するので、すでに導出したチェビシェフ関数による展開の方法が直接利用できる.この結果を用いれば、現在のハ-フスキャン方式を一層徹底したMRの高速撮像法に有効な方法を得ることが可能となる. 一方、産業用CTの一つとして注目されている中性子線CTの研究においては、原子炉を線源とする実験装置により得られた実測デ-タをもとに、具体的な再構成計算を行ない、この撮像系に適した再構成方法を求めた.その結果、再構成画像の位置情報に関しては、ほヾ実用的に問題のない再構成アルゴリズムを得ることができた.しかし、濃度信号に関しては、線質硬化によるものと考えられるカッピング効果が存在するので、このための補正方法の研究を進めている.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 井上 多門: "CTおよびMRIによる生体計測" 可視化情報. 12. (1992)
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[Publications] 井上 多門: "MRIによるイメ-ジング" MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY. 10. (1992)
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[Publications] 井上 多門: "Practical Application of the Analytical Method of Image Reconstruction for SPECT." Physics in Medicine and Biology. (1992)
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[Publications] 井上 多門(分担執筆): "NMR医学(改訂2版)・第6章パルス系列とMR像の画質" 丸善株式会社, 519(20) (1991)
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[Publications] 井上 多門(分担執筆): "非破壊検査ハンドブック第3.4章計算機トモグラフィ" 日刊工業新聞社, 1148(20) (1992)