1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452105
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
中垣 通彦 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (90207720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 貴博 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (40240022)
堀江 知義 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (40229224)
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Keywords | 非均質材料 / 傾斜機能材料 / クリ-プ / 有限要素解析 / 熱非均質 / 破壊力学 / 熱衝撃 / 損傷力学 |
Research Abstract |
耐熱および熱遮蔽性と機械的強度を兼ね備えた傾斜機能材料は連続した複合性質を持っているため、材料定数が非均質である。またその上に、想定する温度範囲が一千度Kにも達するため、熱非均質性が著しく、極めて非均質性の高い非線形問題である。傾斜機能材料の使用時に想定される損傷モ-ドは破壊であると考えられるが、このように非均質性の高い状況の中で破壊靭性を材料塑性と温度に対して定義して行くのは非常に煩雑であり、また実用的でない。そこで、本年度の研究実施計画の一つである文献調査の結果、微少空孔の発生・成長・合体が亀裂の局破壊をもたらすGursonの損傷モデルを用いて破壊抵抗強さを決定し、同時に構成則とするアルゴリズムを既存の有限要素プログラムに組み込んでいる。 傾斜機能材料のように非均質性の高い材料の破壊の評価においては破壊を支配する亀裂先端部分の状態を正確に把握する必要があるが、そのため高次の項を含む積分パラメタ-を用いる。しかし、小さな領域に離散化する有限要素法では要素間に歪の不連続性が現れ、亀裂先端の評価を著しく妨げる。この為、フィ-ルド・デ-タのスム-ズ化を行うアルゴリズムを組み込んで、意味のある破壊評価を行う事が出来る様になった。この方法により熱非均質亀裂問題の解析を行い、温度依存する材料定数のうち線膨張率が亀裂の安定性において最も支配的である事が判明した。 傾斜機能材料をモデル化する事の可能性をチェックするため、二種類の全く異なった材料の接合体に存在する亀裂問題を取り扱った。材料不連続部分にわずかな幅の傾斜エレメントをモデル化してシミュレ-ションを行うことにより高次の項を含むT^*などの積分パラメタ-の評価が可能となり、溶接破壊などの非均質問題にも有効な破壊解析法である事が分かった。 また傾斜機能材料は破壊に対して靭性の高い金属がその組成に含まれており、しかも高い温度領域で負荷される可能性があるため、クリ-プ現象を除外して考える事は出来ない。そこでまず第二期クリ-プについてクリ-プ破壊の実験結果をシミュレ-トし、傾斜機能材料へのクル-プ・モデリングを進めている。 熱衝撃疲労による亀裂の生成は熱塑性が主な要因であり、特に本問題のような高温度域では顕著である。損傷モデルをもちいてこの問題の現象解析を行うため、熱塑性構成則を解析システムに組み込む作業を進めている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] S.Rahman,F.W.Brust,M.Nakagaki,and P.Gilles: "An approximate method for estimating energy release rates of theroughーwall cracked pipe weldments" Journal of the Pressure Vessel abd Piping Technology,Transaction of ASME. Vol.215. 87-92 (1991)
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[Publications] M.Nakagaki,F.W.Brust,N.Miyazaki,T.Sasaki,and T.Sakai: "Effects of thermal inhomogeneity on cracks" Proceedings of the 6th International Conference on Mechanical Behavior of Materrials. Vol.4. 93-98 (1991)
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[Publications] M.Nakagaki,F.W.Brust,N.Miyazaki,T.Sasaki,and T.Sakai: "A study on fracture stability under gradient thermal loading" Proceedings of the 11th International Conference on Structural Mechancics in Reactor Technology. Vol.G1. 189-194 (1991)
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[Publications] 境 俊也,宮崎 則幸,中垣 通彦,佐々木 亨,宗像 健: "有限要素法による非均質材中の安定亀裂成長解析" 日本機械学会論文集. No.910ー71. 143-145 (1991)
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[Publications] 佐々木 亨,宮崎 則幸,宗像 健,中垣 通彦,F.W.Brust: "有限要素法によるクリ-プき裂進展のシミュレ-ション" 日本機械学会論文集. No.915ー1. 79-81 (1991)
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[Publications] G.Yagawa,et.al.including M.Nakagaki: "Japanese roudrobin analyses of stable crack growth in inhomogeneous CT specimen" Proceedings of the 6th Internationl Conference on Mechanical Behavior of Materials. Vol.1. 609-614 (1991)
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[Publications] M.Nakagaki: "Study on elasticーplastic fracture mechancis in inhomogeneous materials and structures(III),G.Yagawa,ed" The Japan Welding Engineering Society, 219-255 (1991)
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[Publications] 中垣 通彦: "非均質構造材料の弾塑性破壊力学に関する研究、矢川元基編" 日本溶接協会, 169-229 (1991)