1993 Fiscal Year Annual Research Report
分子動力学を用いた微視的離散モデルに基づく材料強度評価システムの開発
Project/Area Number |
03452108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥田 洋司 東京大学, 工学部, 講師 (90224154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢川 元基 東京大学, 工学部, 教授 (40011100)
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Keywords | 分子動力学 / 微視的破壊力学 / 材料強度 / 界面強度 / Si結晶 / エンジニアリング・ワークステーション / スーパーコンピューティング |
Research Abstract |
現在の状況では、分子動力学法でバルク材料の解析を行うことは不可能である。また将来的に見ても、バルク材料を分子動力学法でシミュレーションすることができるほどの計算機性能の向上は考えられない。また、従来の有限要素法や境界要素法によるマクロな解析方法では、マイクロクラックなどのミクロな損傷の効果は正しく評価できない。そのため現在まで、マイクロクラック先端付近だけを分子動力学法によってシミュレーションし、そのほかのところはマクロな解析手法〃例えば有限要素法によってシミュレーションするというような研究が行われてきた。しかしながらこのような解析方法では、損傷部の非損傷部に与える効果や、多結晶体であるバルク材料を扱うために、結晶格子の配向性がバラバラであるという効果などが正しく考慮されているとは言い難い。本年度においては、連続体力学とのインターフェイスをモデル化することにより、有限要素法などの連続体力学に基づく解析手法の中に微視的な観点から得られた情報を取り込む手法を開発した。具体的には、分子動力学法によりマイクロクラックのシミュレーションをおこない、その結果から、バルク材の弾性定数の変化を導きだし、損傷の効果を材料強度評価にとりいれるというシステムを構築した。損傷評価にはBudiansky and O'Connellの理論を用いた。計算対象としてbcc構造を有するα鉄を採用し、ポテンシャルには経験的ポテンシャルであるJohnsonポテンシャルを用いた。マイクロクラックの進展にともなうバルク材のヤング率、ポアソン比の低下を評価した。
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