1991 Fiscal Year Annual Research Report
熱硬化性樹脂複合材の圧縮成形における熱的接触・凝固条件の総合的評価法の開発
Project/Area Number |
03452115
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
濟木 弘行 熊本大学, 工学部, 教授 (40023238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 英俊 熊本大学, 工学部, 講師 (10153917)
丸茂 康男 熊本大学, 工学部, 講師 (90199927)
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Keywords | 熱硬化性樹脂 / 圧縮成形 / 熱的接触条件 / 超音波 / 接触率 / 変形抵抗 / 複合材 |
Research Abstract |
交付申請書に記載した本年度の研究実施計画に沿って, 1)圧縮移送成形中の内部流動状態を観察できる金型を作成した.これを用いて予備実験を行って,流動状態の連続写真撮影を行った.これによって樹脂の凝固収縮時におこる離型状態を観察できた. 2)実験に用いるIC封止樹脂複合材の変形特性を調べるために各種温度と引張り速度で引張り試験を行った.この結果をもとに樹脂材の弾粘塑性構成モデルを検討したところ,塑性変形によって構造変化が起こることをつきとめた.これを含んだ新しいモデルを提案したところかなり精度よく負荷除荷特性が表現できることが分かった(日本機械学会にて講演発表済み). 3)樹脂の接触状態を評価するための予備実験として,樹脂の代わりに計測の容易な金属の圧縮界面の接触状態の評価を行った.金属表面に人工的あらさを施し,これをラッピング仕上げした工具を用いて据込み鍛造する.見かけの接触面積に対する真実接触面積の割合である接触率を超音波反射強度を連続計測することで評価できるかを調査した.接触率零の場合の反射強度に対する相対強度を色々な加圧条件に対して求めた.加圧後の表面を輪郭あらさ試験機を用いて計測し,推定される真実接触面積を表面あらさの負荷曲線から評価し,相対反射強度との関係を求められたところ,良い相関があることが認められた.このことから加圧中に接触率が刻々変化する状態を相対反射強度から精度よく評価できることが判った(この結果は塑性加工学会で講演予定である).従って,樹脂が凝固収縮する過程で型と樹脂の接触状態がどの様に変化するかを評価できる可能性が見いだされた. 4)接触率と接触熱抵抗の評価法については一部計算済みであるが総合的検討は次年度の宿題として残された.
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