1993 Fiscal Year Annual Research Report
熱硬化性樹脂複合材の圧縮成形における熱的接触・凝固条件の総合的評価法の開発
Project/Area Number |
03452115
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Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
濟木 弘行 熊本大学, 工学部, 教授 (40023238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 英俊 熊本大学, 工学部, 助教授 (10153917)
丸茂 康男 熊本大学, 工学部, 助教授 (90199927)
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Keywords | 熱硬化性樹脂 / 熱的接触条件 / 超音波 / 接触率 / 凝固解析 / 製品形状 / 離型 / 反射特性 |
Research Abstract |
本年度は、ノボラック系半導体封止樹脂を対象にして、成形形状精度を評価する目的で、超音波を利用する接触条件の評価を行った結果次のような結論が得られた。 金型と材料間での超音波の反射特性を調べたところ粗さの大きいところでは相対反射強度I/Ioは接触率Rと直線関係にある。しかし、粗さが15mum(粗さのピッチ30mum)以下になると粗さの影響を考慮しなければならない。これは、丁度、超音波の界面通過が、縮流抵抗が小さくなって熱が流れ易くなったり潤滑膜を介して流れたりするのに似ている。実際、熱抵抗と相対反射強度I/Ioにはよい相関があることが分かった。 成形品の反りおよび成形後の製品寸法は、金型温度設定条件によって大きく影響される。また、硬化時間と離型時期の選択によっても微妙に変化する。凝固反応の進展速度態様、最終反応率とガラス転移点の変化が影響しているらしいことが分かった。これを正確に評価することができれば成形精度を制御できる。 超音波探触子を熱から保護するための冷却システムを型に埋め込むことでインプロセスで接触状態を評価することができる。樹脂成形時の接触状態の推移、樹脂の未充満状態および凝固進展の状態は、相対反射強度の時間と場所の変化を調べることで評価することができる。この反射強度の推移は、樹脂内の温度履歴や凝固フロントの進展と良い対応関係が認められた。特に、一次反射のデータからその様子を明確に察知できる。二次反射については計測がかなり困難であるが凝固反応にともない音速が変化する様子を捉え得る可能性があることが分かった。以上の結果、加工条件の変化によって感度よく凝固反応および離型の進展や反り形状を評価することができ最適条件の決定に有効な指針が得られると結論できる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 濟木弘行: "リング圧縮試験における潤滑条件下の摩擦せん断応力の評価(超音波測定の応用)" 平成5年度塑性加工春季講演会講演論文集. 123-126 (1993)
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[Publications] 濟木弘行: "鍛造加工における超音波測定による摩擦接触状態の評価" 日本機械学会論文集(C編). 56(562号). 332-337 (1993)
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[Publications] Hiroyuki Saiki: "Estimation of Contact Conditions in Lubricated Frictional Interface Forging Processes by Using Ultrasonic Examination" Proceedings of the Fourth International Conference on Technology of Plasticity. Vol.2. 1126-1131 (1993)