1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452119
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
阿武 芳朗 東京理科大学, 工学部, 教授 (40016209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 成香 東京理科大学, 工学部, 助教授 (80096718)
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Keywords | 軸受 / 水潤滑 / 高速 / コニカル / 弾性面 |
Research Abstract |
近年、プリント基板用スピンドルには、穴径の微小化によりますます高い回転数と回転精度が要求されるようになってきた。また、この種のスピンドルにはプリント基板の輪郭加工をも同時に行えるようにと、ラジアル方向剛性についてもかなり高い値が要求される場合が多い。これまで、このような高速スピンドルには、静圧気体軸受や高精度転がり軸受が使用されてきたが、静圧気体軸受ではラジアル方向の剛性が低く輪郭加工に使えない、また転がり軸受では回転精度や軸受寿命が劣るなど従来の軸受ではプリント基板の高集積化に適用できなくなってきており、新しいスピンドルシステムの開発が必要となってきている。 そこで本研究では、これらの要求に応えることのできる軸受として、水を潤滑剤とした新しい構造の軸受ースピンドルシステムを提案した。水の粘性は油などに比べ小さいばかりでなく、環境を汚染しないという利点を持つ。また、本スピンドルシステムでは、潤滑剤としての水はスピンドルを通して軸受すきま内に供給され、軸回転とともに遠心力により給水圧が自動的に上昇するという特徴を持っている。さらに、軸受面にはゴムが張られており、発生する圧力により自動的にポケットが形成される構造となっている。本年度は、提案する軸受ースピンドル系における軸受内圧力、負荷容量、消費動力などの静的特性を有限要素法を用いて理論的に解析することにより、軸受すきま内の圧力発生のメカニズムを明らかにした。また実際に軸受を製作し実験を行うことにより、12万rpmで回転可能なことを確認するとともに、理論計算結果の妥当性についても検討を行った。 以上の結果、提案した軸受ースピンドルシステムは、高速かつ高精度な回転を得るための軸受系として有用であるとの見通しを得ることができた。
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