1992 Fiscal Year Annual Research Report
クエット型乱流における履歴現象と局所非平衡乱流の解明
Project/Area Number |
03452123
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
中林 功一 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90024231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 修己 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10093022)
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Keywords | クエット型乱流 / 平行平板クエット乱流 / 履歴現象 / 局所非平衡 / 局所平衡 / 繰り返し圧力勾配 / 波状壁乱流 |
Research Abstract |
前年度に引き続き平行平板間クエット乱流,特にコア部の構造について調べた.クエット流は通常2次元流と考えられており,スパン方向への平均速度,乱れ統計量の変化は無いとされていた.この点を確認するため平均速度のスパン方向分布を調べたところ,周期が2h(h;流路高さ)で振幅が移動壁速度の約3%の周期的な変化が見られた.この様なスパン方向への速度の変化は,Leeが予測した流れ方向に軸をもつ大規模な渦構造の存在によるものと推測される.このスパン方向への変化は乱れ高次統計量についても明瞭に観測された.次に変動速度のスペクトル解析の結果,クエット流では通常のチャネル乱流には見られない低波数の乱れエネルギのピークが現れた.以上のようにクエット乱流のコア部は,チャネル流とは異なる特異な構造がある.クエット乱流のコア部における乱れエネルギの収支を調べた.乱れエネルギ生成と散逸がほぼ釣り合っており,一部の研究者により提案されていた乱れエネルギの逆勾配拡散は無いと考えられる. 表記課題の非平衡乱流は,繰り返し圧力勾配の結果現れる流れである.この研究を効果的に進めるには,まず一定圧力勾配の流れの様子を理解しておくことが重要である.そこで,クエット型乱流に圧力勾配が加わった流れを調べた.我々の対象としている流れは比較的低レイノルズ数の流れであるので,圧力勾配とレイノルズ数の効果が複合的に入ってくる.過去にEl Telbanyらがこの種の流れの研究を行ったが,この二つの効果を明確に分離しなかった.そこで我々はまず圧力勾配の効果について平均速度分布の変化を調べた.その結果は定性的にEl Telbanyらの結果を一致した.レイノルズ数と圧力勾配の影響の現れ方については現在調査中である.
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