1991 Fiscal Year Annual Research Report
拡散燃焼の熱流体力学的不安定と乱れ生成・消滅に関する研究
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03452130
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池上 詢 京都大学, 工学部, 教授 (70025914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 浩二 京都大学, 工学部, 助手 (10210501)
塩路 昌宏 京都大学, 工学部, 助教授 (80135524)
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Keywords | 乱流拡散炎 / 乱れ渦構造 / レ-ザ-シ-ト法 / 乱流混合 / 乱れ生成 / 層流化 / 離散渦法 |
Research Abstract |
本研究では、乱流拡散炎における乱れ生成機構を熱流体力学的不安定性の立場から検討するとともに、乱れ渦の挙動および燃料・空気混合機構を実験的・理論的に解明することを目的とする。本年度は、噴流火炎内の乱れ渦構造を基礎的に調査し、流体の安定性および乱れ渦の発生に関する理論の確立を目指して,主に次の事項について研究を実施した。1.乱れ渦構造の可視化観察 YAGパルスレ-ザを光源とするレ-ザ-シ-ト法により噴流火炎断面を可視化した。とくに、トレ-サとして火炎中で生成するすす微粒子とあわせて燃料流に酸化チタン微粒子を加え、それによって乱れ渦の発達および散逸過程を詳細に観察するとともに、燃料と空気の混合状況を 調べた。その結果、燃料流はノズル近傍かららせん状に乱れ始めるものの、燃料によって混合領域に生じた高温・高粘性層の内部に閉じ込められるために小渦への散逸が遅れることを明らかにした。さらに、燃料流の乱れはしだいに拡大し、火炎形状により観察される遷移点近傍において周囲のすす層を巻き込むこと、燃料流内部に取り込まれたすす層は乱れ渦によって薄いシ-ト状に引き延ばされ、軸上および横断面において折り畳んだ構造となることなどを示した。2.乱れ渦発生過程の数値解析 燃料流中に生じる曲がり流れの作用による圧力勾配とそれに直交する火炎帯の密度勾配とによって乱れ渦が発生することを実験結果に基づいて推定し、その可能性を理論的に示した。すなわち、密度勾配のある界面の片側近傍に循環を仮定し、渦度方程式を解くことによって流れ場と界面の変形を計算した。その結果、界面に生じた比較的大きい渦は密度勾配と圧力勾配の直交する領域に発生する渦度によって引き延ばされること、および高温領域では渦度が早く消散することを示し、燃料が乱れ渦構造および燃料・空気混合に及ぼす作用を明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 塩路 昌宏: "噴流および噴流火炎における乱れ渦の発生機構" 第29回燃焼シンポジウム前刷集. 55-57 (1991)
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[Publications] 塩路 昌宏: "レ-ザシ-ト法による噴流火炎中の乱れ渦の可視化" 日本機械学会論文集(B編). 57巻542号. 3562-3568 (1991)
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[Publications] 塩路 昌宏: "レ-ザシ-ト法による自由噴流中の乱れ渦の可視化" 日本機械学会論文集(B編). 57巻544号. 4016-4022 (1991)