1991 Fiscal Year Annual Research Report
生体皮下組織の熱拡散率のin vivo測定に関する研究
Project/Area Number |
03452133
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤井 丕夫 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (90038589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 興 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (40236823)
藤野 武彦 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (20108773)
藤井 哲 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (20038574)
富村 寿夫 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (70136563)
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Keywords | 生体熱物性 / 非接触測定法 / in vivo測定 / 熱伝導率 / 熱拡散率 / 異方性固体 / 多孔性固体 |
Research Abstract |
研究計画に従い,本年度はまず測定原理の検証と測定の精度についての検討を行った.次に生体に近い熱伝導率および熱拡散率を持ち,これらの値が既知の固体について実際に測定を行い,測定上の問題点などを明らかにした.以下,本年度に得られた主な研究成果を列挙する. (1)軸対称2次元の熱伝導方程式をレ-ザによる局所加熱および物体表面からの対流・ふく射による熱損失を考慮した境界条件のもとに数値的に解いた。解析結果を正味の加熱量を用いて再整理することにより,これらの熱損失に依存しない,表面温度とフ-リエ数との間の無次元関係式を求めることができた.この結果,本測定法は物質の熱拡散率と熱伝導率の同時測定として使えることが明らかになった. (2)本測定法における測定量は加熱熱流束,加熱半径および表面温度の経時変化である.これらの測定デ-タを先に理論的に求めた無次元関係式と比べることにより,熱拡散率および熱伝導率を分離して算出する方法は種々考えられるが,原理的な精度を詳細に検討し,現状で最適と考えられる手法を確定した. (3)この手法によれば,加熱熱流束および加熱半径の測定誤差がそれぞれ5%および3%以内であれば,本測定法によって熱伝導率および熱拡散率がいずれも10%以内の精度で測定できることが明らかになった. (4)アクリル板などの物性値既知の固体について測定した結果,レ-ザ光の表面での反射を正しく評価したとき,2〜5%以内の測定誤差で熱拡散率および熱伝導率を測定することができた. (5)現在,異方性をもつ物質に対して本法を適用するための理論的な検討を行うとともに,赤外線温度計に近接拡大レンズを装着したときの測定精度について予備的な測定を試みている.
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[Publications] 藤井 丕夫,他3名: "A Nonーcontact Measuvement of Thermal Conductivity and Diffusivity of Solids." 第3回アジア熱物性会議(1992年10月,北京で開催).
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[Publications] 藤頭 丕夫,他4名: "固体の熱伝導率および熱拡散率の非接触同時測定" 第13回日本熱物性シンポジウム(1992年9月,秋田市で開催).