1992 Fiscal Year Annual Research Report
放射光励起ガスソースCVDによる高誘電体薄膜の低温形成
Project/Area Number |
03452149
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庭野 道夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20134075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高桑 雄二 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20154768)
宮本 信雄 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (00006222)
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Keywords | 高誘電体薄膜 / 放射光励起 / CVD / 半導体表面 |
Research Abstract |
本研究の目的は、放射光励起ガスソースCVD法による高誘電体薄膜の低温形成である。本年度は、(1)赤外多重内部反射法を用いた半導体基板表面の清浄化法の研究、(2)放射光を用いたSi表面上のテトラエトキシシラン(TEOS)の分解過程の研究を行った。 (1)については、前年度に製作した赤外分光装置を用いて、フッ酸等の表面処理溶液を用いて清浄化したシリコン表面の、原子レベルでの表面形態と、空気中に放置した場合等における表面の安定性を研究した。良質の高誘電体薄膜を形成するには基板表面上の自然酸化膜形成の抑制や基板表面の平坦性が重要であり、これらの点を重点的に調べた。なお、用いた赤外分光装置は、表面感度に優れた多重内部反射法による赤外吸収測定を大気中のみならず真空中でも行うことができる装置である。 フッ酸(HF)処理、アルカリ溶液(NH_4F)処理の場合についてシリコン表面の粗さを調べた結果、フッ酸処理Si(111)面は荒れているが、アルカリ溶液(NH4F)処理では極めて平坦な面が得られること、Si(100)面ではアルカリ溶液でも平坦な面が得られないことが確かめられた。これらの面を大気中に放置すると酸化は表面Si原子のバックボンドからも起こるが、この酸化は平坦なSi(111)面では抑制されることが分かった。なお、バックボンド酸化には基板面方位依存性があることも分かった。 (2)については、Si表面上に酸化材であるTEOSを吸着させ、その吸着表面に放射光を照射することによって起こるTEOSの光分解過程を光電子分光測定によって調べた。その結果、TEOSのみを吸着させた場合にはエチル基の分解が不十分であるが、TEOSと共に水を吸着させるとエチル基の分解が促進することを確かめた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Niwano: "Hydrogen-termination of the NH_4F-treated Si(111) surface studied by photoemission and surface infrared spectroscopy" Journal of Applied Physics. 72. 2488-2491 (1992)
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[Publications] M.Niwano: "Ultraviolet ozone oxidation of Si surface studied by photoemission and surface infrared spectroscopy" Journal of Vacuum Science and Technology. A10. 3171-3175 (1992)
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[Publications] M.Niwano: "Formation of hexafluorosilicate on Si surface treated in NH_4F investigated by photoemission and surface infrared spectroscopy" Applied Physics Letters.