1993 Fiscal Year Annual Research Report
放射光励起ガスソースCVDによる高誘電体薄膜の低温形成
Project/Area Number |
03452149
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庭野 道夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20134075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠田 義晴 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20232986)
宮本 信雄 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (00006222)
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Keywords | 放射光 / 高誘電体薄膜 / 低温薄膜形成 / 半導体表面 / 光励起反応 / CVD |
Research Abstract |
半導体デバイスで用いる高品質の高誘電体(絶縁)薄膜を、シンクロトロン放射光(以下、放射光と略す)による光励起法で"低温"形成する方法を検討した。本研究の膜形成法では、高真空化学反応槽を用い、原料ガスを半導体基板表面に供給し、基板表面に真空紫外域の放射光を照射することにより、原料ガスの光分解と基板表面における化学反応を促進させて高誘電体膜(SiO2膜、Ta2O5膜)を形成する。放射光照射時に基板表面から脱離する分子種と脱離量を調べ、光照射による基板表面の化学状態の変化を光電子分光法と赤外分光法でその場("in-situ")観察した。 実験は、東京大学物性研究所軌道放射物性研究施設において行った。清浄化した半導体基板表面上に原料ガスを導入しながら電子蓄積リングからの放射光を照射した。原料ガスは、SiO_2についてはテトラメトキシシラン(TMOS)とテトラエトキシシラン(TEOS)を、Ta_2O_5についてはペンタエトキシタンタル(TAETO)を用いた。実験の結果、光照射時に脱離する分子種は水素、炭化水素、一酸化炭素であることが分かり、メトキシル基の光分解が確認できた。また、光電子分光法、赤外分光法で、光照射による膜の組成変化を調べた結果、TMOSとTEOSについては、これらの分子が光分解、光重合して、シリコン酸化膜が形成されることが確認できた。TAETOについては放射光照射だけでは酸化膜が形成されなかった。 以上の結果から、シリコン酸化膜の放射光による低温形成が可能であることが確認された。なお、本研究において、TAETOを空気中でシリコン基板表面上に塗布すると金属タンタルが析出することが分かり、この原料は金属堆積に利用できることが確認され、今後の研究の展開が期待できる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Niwano et al.: "Photoemission Study of Synchrotron Radiation Induced Reaction of TEOS Adsorbed on Silicon Surface" Applied Surface Science. (印刷中). (1994)
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[Publications] K.Kinashi et al.: "UV-Assisted Deposition of TEOS SiO_2 Film Using Spin-Coating Method" Applied Surface Science. (印刷中). (1994)
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[Publications] M.Niwano et al.: "UV-Induced Deposition of SiO_2 Film from TEOS Spin-Coated on Si" Journal of the Electrochemistry Society. (印刷中). (1994)
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[Publications] M.Niwano et al.: "Synchrotron Radiation Induced Reactions of Tetraethoxysilane on Si" Journal of Applied Physics. (印刷中). (1994)