1993 Fiscal Year Annual Research Report
ボロンイオン注入によるシリコンにイオン注入されたひ素の活性化と拡散の抑制の研究
Project/Area Number |
03452157
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Research Institution | Kaisai University |
Principal Investigator |
横田 勝弘 関西大学, 工学部, 教授 (50067617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 進 関西大学, 工学部, 助教授 (10067754)
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Keywords | イオン注入 / 拡散抑制 / 活性化抑制 / シリコン / 不純物 |
Research Abstract |
集積回路の高集積化に伴い、その主要な構成要素であるMOSトランジスタに短チャンネル効果によるMOSトランジスタの破壊の一つの原因であるホットキャリアの発生を防止するために、本申請課題では、MOSトランジスタのチャンネルに近接する付近のドレインに添加されている不純物の活性化率を異種イオンを注入することで目的を達成しようとするものである。 本年度の研究成果は下記に述べる通りである。まずシリコンに10keVのボロンイオンを注入してから、ボロンと同じ深さにひ素が分布するように45keVのエネルギーでイオン注入して試料を作る。ひ素の注入量は1×10^<16>am^<-2>と一定にして、ボロンイオンは最大ひ素のイオン注入量の2分の1の1×10^<13>am^<-2>として、いろいろな注入量を選んだ。この試料を不活性ガス中で950℃で、30分間、300分間、1000分間で熱処理した。熱処理された試料のひ素とボロンの分布は、ひ素密度がボロン密度の3倍になる位置(C点)までの表面付近では重なったが、これら試料ではひ素がボロンより多く注入されているために、それ以上の深い場所では、殆どひ素のみが分布していた。さらにひ素密度は、表面に近づくに従ってボロン密度に近づいたが、ボロン密度以下にはならなかった。しかし、そのひ素とボロン密度比は、熱処理時間と共に小さなった。すなわち、ひ素とボロンの拡散は共に抑制され、それは熱処理時間と共に顕著になった。さらに、いままで知られていたシリコン中でのボロンの固容限以上のボロンでも非常に簡単な総量一定の拡散源からの拡散方程式の解で表された。ひ素とボロンの複合体が形成されたと考えられる。ボロン注入量の多い試料では表面からC点までp形で、C点より深い場所ではn形となった。ボロンの注入量が1の1×10^<15>am^<-2>の試料はすべてn形になったが、ボロンの注入量に比例してキャリア密度は抑制された。
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[Publications] 横田,勝弘: "Dininution of Electrical Activity and Reduction of Diffusion of As Inplanted in Si by Simultaneous Inplantation of Boron" Proc.The 3rd,International Synp.on Process Physics and Modeling in Seniconductor Technology. 556-562 (1993)
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[Publications] 横田,勝弘: "シリコンにひ素とボロンを同時イオン注入法によるひ素の電気的活性化と拡散の抑制" 電子情報通信学会技術研究報告. 信学技報93巻369号. 59-65 (1993)
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[Publications] 横田,勝弘: "Dual arsenic and boron ion inplantation into silicon" Journal of Applied Physics. 75. (1994)