1992 Fiscal Year Annual Research Report
地球観測衛星のマイクロ波リモートセンシングデータによる積雪の物理量抽出の研究
Project/Area Number |
03452160
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 勝裕 北海道工業大学, 工学部, 教授 (10048035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西辻 昭 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (90001677)
佐々木 正巳 北海道工業大学, 工学部, 助教授 (70196179)
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Keywords | マイクロ波リモートセンシング / 衛星観測 / 積雪 / MSR / AMI / SAR / MOS-1 / ERS-1 |
Research Abstract |
受動型センサのマイクロ波放射計あるいは能動型センサの合成開口レーダを搭載した衛星が北海道の積雪を観測したデータを入手し、積雪の深さと雪質の情報を抽出するための解析処理を行ってきた。 マイクロ波放射計による観測データは、MOS-1とMOS-1bに搭載されているMSRによるデータを1982年から蓄積してきた。積雪からのマイクロ波放射は、大地の放射が積雪の内部で散乱と吸収を受けながら積雪層の厚さと共に指数関数的に減衰する成分と、逆に厚さと共に増大する積雪自身の放射成分に大別できる。前者の伝搬模型は、深さや雪質を知る上で重要である。この模型の一次式近似は、MSRが観測した輝度温度と地上観測の積雪深の間で負の傾きを持つ回帰直線として表されるので、回帰直線の傾きが積雪の条件によってどのように変わるかを解析してきた。本年度の新たな知見は、回帰直線の傾きの季節変化が雪質の季節変化と密接な関係があること、気温の季節変化がMSR輝度温度の季節変化に影響を及ぼすことなどである。 衛星搭載合成開口レーダは、1992年から、EERS-1のAMIとJERS-1のSARの観測データの利用が可能になった。観測データから積雪の物理量を抽出するには、レーダ方程式の散乱係数を解析することが必要である。均一の粒子で構成された積雪層を仮定して解析シミュレーションを行ったところ、大地に到達する前のマイクロ波が積雪粒子で散乱される体積散乱成分と、大地表面に達し、散乱された後に積雪層により減衰を受ける成分を分離できれば、積雪深、粒径、水分を高分解能で測定できる可能性があることがわかった。1993年1、2月に地上現場観測による積雪データを取得したので、さらに解析を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)