1991 Fiscal Year Annual Research Report
大脳聴覚皮質における音声情報処理様式の生理学的および工学的研究
Project/Area Number |
03452165
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
堀川 順生 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (50114781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 浩 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80181501)
黒岩 俊彦 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (80129832)
谷口 都雄 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60014255)
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Keywords | 大脳聴覚皮質 / 音声情報処理 / 多チャンネル同時記録 / 光学的計測 / 神経生理学 / 情報工学 |
Research Abstract |
これまで、我々はラット聴覚皮質ニュ-ロンの音に対する応答を微小電極法を用いて調べ、聴覚皮質における音の周波数に関する柱状構造および複数の領域での周波数局在を見出してきた。平成3年度は16チャンネル微小電極アレイを用いてラットの聴覚皮質の複数箇所から同時に電位記録し、純音に対する応答の2次元空間分布の計測を行った。16箇所における聴覚皮質ニュ-ロンの応答電位を細胞外で記録し、増幅後、帯域フィルタ-とシュミットトリガによりパルス整形して16チャンネルのA/D変換器で計算機に取り込み、PSTヒストグラムの形に対する16箇所の応答を同時計測した。このヒストグラムからインパルス頻度で表した応答強度の2次元空間分布およびその分布の時間変化を求め、計算機のディスプレ-上に疑似カラ-で表した。応答強度が2次元的に分布する様子とその分布の時間変化の様子が明瞭に表出できた。音の周波数を変えると、応答強度の最大になる位置が変わり、聴覚領における周波数局在を確認することができた。また、インパルスの時系列から16箇所の中の任意の2箇所における相互相関を求め、それぞれの箇所における相互の機能的関連を調べた。これらの結果は、日本生理学会および日本音響学会で発表した。 光学的計測に関しては、フォトダイオ-ド計測装置の納品が少し遅れたため計測が遅れているが、初期の64チャンネルの計画を変更し、チャンネル数を144に増やした計測システムを構築し、本システムを用いた実験が現在進行中である。この光学的計測は本研究計画の中心になるものであり、今後、多くの研究成果が期待される。予備実験として、大脳聴覚領で、電圧感受性色素と4チャンネル受光素子による光学的計測を既に行っており、神経活動の安定した測定が可能である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 堀川 順生: "マルチ電極(16Ch)記録法によるラット聴覚領の応答の空間パタ-ンの計測" 日本音響学会講演論文集. 秋期. 467-468 (1991)
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[Publications] J.Horikawa: "Spatial response patterns of auditory cortical neurons measured with a 16ーchannel electrode array." Jpn.J.Physiol.41. S50 (1991)
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[Publications] J.Horikawa: "Twoーdimensinal response patterns of auditory cortical neurons in ratsmeasured with a multiーelectrotrode array." Neurosci.Res.16. S132 (1991)
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[Publications] 堀川 順生: "多電極同時計測法による聴覚領の機能構造の研究" 日本音響学会聴覚研究会. Hー92ー9. 1-7 (1992)
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[Publications] J.Horikawa: "Neuroethology of auditory cortex." Jpn.J.Physiol.41. 671-691 (1991)