1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452169
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
郡司 隆男 大阪大学, 大学院・言語文化研究科, 助教授 (10158892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 邦弘 椙山女学園大学, 生活科学部, 助教授 (80174001)
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Keywords | 句構造文法 / 構文解析 / 制約に基づく文法 / 論理型プログラミング言語 |
Research Abstract |
本研究では、文法理論に内在する機構、特に、その制約の記述法に重点をおいて、計算機処理に適した文法記述体系の開発を試みた。そのために、文法理論を計算機上に実装していくための、効率的な文法記述法を開発し、それに基づいて、中規模のワークステーション上に論理型プログラミング言語による構文解析システムを試作し、それに、日本語句構造文法の中核的な部分を実装した。 最終年度の平成5年度は、今までに得られた知見を総合的に実現するための環境の整備を行ない、合わせて今までの研究成果のまとめを行なった。 まず、前年度に着手した、トップダウンアルゴリズムによる構文解析プログラムを、ボトムアップアルゴリズムを用いたプログラムに書き直す作業を継続し、さらに、文法記述と、その計算機上での実現との間の乖離を最小限にするためのルーツをいくつか開発した。その上で、言語学的に要請される文法的制約を、自然な形で計算機処理機構に効率よく実現する方法を重点的に研究した。 本年度には、文の構造を表現する方法を本研究で提案するような多重的な素性構造にすることにより、形態的な表示と意味的な表示を統一的に扱うことができるのみならず、そのような構造に基づく構文解析も容易に実現可能であるということが明らかになった。 文法的制約の記述に関しては、当初、連続的なコストという考え方をとり入れた制約というものに立脚する方針を採用することも検討したが、論理的プログラミング言語という、離散的な概念を中心として設計されている言語の中でどのように表現するべきかという問題については満足の行く解決法が得られず、この問題については、本年度内では実現を見なかった。
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