1993 Fiscal Year Annual Research Report
リカレント型ニューラルネットワークの学習法・学習速度・学習容量の解明とその応用
Project/Area Number |
03452172
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Research Institution | KANSAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山下 一美 関西大学, 工学部, 教授 (40046850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 次郎 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (30047146)
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Keywords | 遺伝的アリゴリズム / ニューラルネットワーク / 学習 |
Research Abstract |
1)遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)は、工学的システムに対して非常に強力な最適化能力を持ち、最近多くの分野で利用され始めた計算理論である。本研究は、フィドフォワード型ニューラルネットワークの学習にGAが有効であることを示す目的で行った。まず、ニューラルネットワークの学習にGAおよびGAと誤差逆伝播(BP)学習法とを併用した方式(これを、改良GA学習法と名づける)が学習速度の面で有効であることを明らかにした。ついで、本学習法とBP学習法の特性の違いを検討するために、雑音の加わった数字認識の実験を行い、その結果により、改良GA学習法がBP学習法よりも高速にかつBP法が構成するネットワークとほぼ同様なネットワークを構成する能力のあることを明らかにした。 2)最近のニューラルネットの研究において、XOR回路やパリティ判別回路が、提案された理論の裏付け回路としてよく用いられている。本研究では、3ビット信号のパリティ判別問題にパーセプトロン型3層ニューラルネットワークを用いた場合、パターンの縮退とシグモイド関数の非線形性により、中間層が2ユニットで線形識別可能であることを明らかにした。 3)ニューラルネットワークの応用として、布の風合い値と布の力学量との間の関係を求めることを検討した。布の風合いの測定は、本来熟練者によって感と経験とによって布の感触を「こし」や「はり」などの風合いと呼ばれる心理量で表現したものである。一方、布の力学量は現在KES測定法により求めている。得られた力学量から数式を用いて風合い値を求めている。しかし、この方法は多数の(16種類)力学量を測定する必要があり非常に面倒である。布の多くの力学量がドレープ波形に潜在していることに着目し、その波形を主成分分析し、直交する力学量を抽出して、それらをニューラルネットワークの入力とすることにより、簡単に風合い値を求めることを検討し、一応の成果が得た。
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[Publications] 岡本,次郎: "3ビットパリティ判別に必要な最小中間ユニット数について" 電子情報通信学会論文誌 D-II. J76-D-II. 2146-2147 (1993)
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[Publications] 岡本,次郎: "風合い値より布の力学量を求めるニューラルネットワーク" 平成5年電気関係学会関西支部連合大会. G8-33 (1993)
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[Publications] 岡本,次郎: "ドレープ波形の主成分を入力とするニューラルネットワークによる布の風合測定" 平成5年電気関係学会関西支部連合大会. G8-34 (1993)
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[Publications] 岡本,次郎: "GAを用いたフィードフォワード型ニューラルネットワークの一学習法" 電子情報通信学会論文誌 D-II. J77-D-II. 461-465 (1994)