時間領域における電磁波を用いた不可視物体の識別と同定の研究

1992 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 03452176
• Research Institution: TOHOKU UNIVERSITY
• Principal Investigator: 安達 三郎 東北大学, 工学部, 教授 (80005222)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 猪狩 和久 東北大学, 工学部, 教務職員 ; 宇野 亨 東北大学, 工学部, 助教授 (80176718) ; 澤谷 邦男 東北大学, 工学部, 助教授 (60108470)
• Keywords: 過渡散乱電磁界 / 形状推定 / 修正拡張物理光近似 / ダイポールアンテナ / ループアンテナ / 地中探査 / アクティブイメージング / バイスタティック

Research Abstract

1.電磁波による散乱導体の形状推定:(1)一次元形状推定:本研究者らが提案している修正拡張物理光学近似法に基づく形状推定法を,任意の散乱導体に適用した結果,平面波の入射軸に沿って散乱体の表ばかりでなく,裏側の形状も精度よく推定できることが理論的に明かとなった.次に,電波無響室内に導体球,角柱などを設置し,散乱体からのパルス応答から散乱体の形状を推定した結果,理論から予想された形状とほぼ同様の形状が推定でき,本手法の有効性が実験的に確認された.しかし,入射平面波の偏波によっては推定精度が悪くなる.これを改善することが平成4年度の検討課題として残されていたが,まだ解決には至っていない.(2)2次元形状推定:入射角を変化させて得られる一次元の形状推定結果を合成することによって散乱体の形状を2次元的に推定する方法を考察し,その有効性を多くの数値シミュレーションによって確認した.
2.地中埋設物の探査に関する研究:(1)埋設物による電磁波の過渡散乱解析:地中に導体円柱が埋設され,地上にダイポールアンテナあるいはループアンテナが置かれている場合の過渡電磁界を理論的・実験的に解析した結果,埋設物による散乱波は,幾何光学波,直達波,ラテラル波およびそれらの合成波によって説明できることが分かった.次に,地中に導体,誘電体が埋設され,地上に吸収体装荷キャビティ付きアンテナが置かれている場合の2次元過渡散乱特性を数値的に解析する手法を開発し,キャビティ,吸収体が電磁波の散乱特性に与える影響を明らかにした.(2)地中埋設物の2次元イメージング:地下の埋設物を地上からアクティブにイメージングする手法を開発し,その有効性を数値シミュレーション・モデル実験によって明らかにした.この方法は全く独自の新しい方法である.

Research Products

• [Publications] 何 一偉: "FDTD法を用いた地中埋設導体による円筒波の2次元過渡散乱解析" 電子情報通信学会秋季大会講演論文集. 2. 1-1 (1991)
• [Publications] 何 一偉: "地中埋設物の2次元アクティブイメージング" 電子情報通信学会秋季大会講演論文集. 2. 433-434 (1991)
• [Publications] 中木 努: "拡張物理光学近似法に基づく非軸対称導体の形状推定" 電子情報通信学会秋季大会講演論文集. 2. 435-436 (1991)
• [Publications] 笹森 崇行: "一様媒質中の誘電体円柱による平面波の過渡散乱" 電気学会電磁界理論研究会資料. EMT-91-50. 11-17 (1991)
• [Publications] 何 一偉: "地中に埋もれた円柱導体の2次元アクティブイメージング" 電気学会電磁界理論研究会資料. EMT-91-54. 49-54 (1991)
• [Publications] 何 一偉: "FDTD法を用いた地中柱状埋設物による円筒波の過渡散乱解析" 電気学会電磁界理論研究会資料. EMT-91-130. 41-48 (1991)
• [Publications] Yiwei He: "Dipole Antenna Reception of Transient Electromagnetic Fields Refracted From a Dipole Antenna Buried in a Lossy Half-Space" IEICE Trans.Electronics. E74. 2870-2876 (1991)
• [Publications] Toru Uno: "One-dimensional Radar Target Imaging of Lossy Dielectric Bodies of Revolution" IEICE Trans.Electronics. E74. 2915-2921 (1991)
• [Publications] Toru Uno: "One-Dimensional Imaging of Dielectric Bodies of Revolution" IEEE AP-S Int.Symp.Digest. 2. 1296-1299 (1991)
• [Publications] Toru Uno: "Electromagnetic Imaging Method for Line Sources in a Dielectric Half-Space" North American Radio Science Meeting. 678-678 (1991)
• [Publications] 宇野 亨: "電磁波逆散乱問題 ー媒質推定, 形状同定ー" コンピュートロール(コロナ社). 39. 47-53 (1992)
• [Publications] Toru Uno: "Theoretical and Experimental Studies on Transient Scattering of Dipole Field From a Conducting Cylinder Buried in a Lossy Half-Space" Proc.URSI Int.Symp.EM Theory. 254-256 (1992)
• [Publications] Toru Uno: "Two-Dimensional Target Profiling by Electromagetic Backscattering" Proc.Int.Symp.Ant.Prop.4. 1237-1240 (1992)
• [Publications] Yiwei He: "Two-Dimensional Active Imaging of Conducting Objects Buried in a Dielectric Half-Space" Proc.Int.Symp.Ant.Prop.4. 1265-1268 (1992)
• [Publications] 前島 治: "地中レーダ用キャビティ付アンテナの2次元FDTD法解析" 電気学会電磁界理論研究会資料. EMT-92-100. 31-39 (1992)
• [Publications] Saburo Adachi: "Two-Dimensional Target Profiling by Electromagnetic Backscattering" 電気学会電磁界理論研究会資料. EMT-92-121. 55-64 (1992)
• [Publications] 前島 治: "2次元不均質媒質中の物体による円筒電磁波 過渡散乱のFDTD法解析" 電子情報通信学会論文誌. J76-B-11. 138-141 (1993)
• [Publications] 宇野 亨: "ダイポール及びループアンテナによる地中埋設円筒導体からの過渡散乱受信特性" 電子情報通信学会春季大会講演論文集. 2. (1993)
• [Publications] 斉藤 俊哉: "地中埋設導体の2次元アクティブイメージングに対する偏波の影響" 電子情報通信学会春季大会講演論文集. 2. (1993)
• [Publications] Saburo Adachi: "One-dimensional Target Profiling by Electromagnetic Backscattering" J.Electromagetic Waves Applications. (1993)
• [Publications] 何 一偉: "FDTDを用いた地中埋設無限長導体による円筒波の過渡散乱解析" 電子情報通信学会論文誌,B-II,. B-II. (1993)