1993 Fiscal Year Annual Research Report
金属・絶縁体単結晶極薄膜 超高速電子デバイスの基礎研究
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03452179
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
浅田 雅洋 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30167887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 恭幸 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40209953)
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Keywords | 超高速電子デバイス / 金属・絶縁体ヘテロ接合 / エピタキシャル成長 / 金属シリサイド / 弗化物絶縁体 / 共鳴トンネルダイオード / 共鳴トンネルトランジスタ |
Research Abstract |
本研究は、金属・絶縁体を用いた超高速電子素子を実現するための基礎研究として、原子層オーダーの金属・絶縁体超格子の物性に関する理論的・実験的な学問的基礎を確立するとともに、これを用いた超高速電子素子を形成し、その基礎特性を明らかにすることを目的とし、本年度は以下に述べる研究成果を得た。 昨年度までに、新しい金属・絶縁体量子効果超高速デバイスを提案し、その実現のため、コバルトシリサイドおよび弗化カルシウムからなる金属・絶縁体極薄ヘテロ多重層の結晶成長技術を確立し、これを用いた超高速デバイスの要素となる共鳴トンネルダイオードなどの基本的動作を達成しているが、本年度はこの成果をさらに拡張し、提案したデバイスの実現に必要不可欠となる金属・絶縁体量子井戸構造における共鳴準位の構造依存症を明らかにするとともに、共鳴トンネルトランジスタを試作し、そのトランジスタ動作を達成した。 金属・絶縁体量子井戸の共鳴準位の構造依存症は、3重障壁共鳴トンネルダイオードの微分負性抵抗特性の井戸幅依存症を、実験と理論で比較することにより明らかにした。井戸幅が数〜十数原子層厚における微分負性抵抗特性の実験結果は、共鳴点電圧の井戸幅による変化および観測される共鳴の個数に関して、自由電子質量を用いた共鳴準位の理論計算とほぼ一致し、これにより金属極薄膜中の共鳴準位の理論的予測と設計が可能になった。また、共鳴トンネルトランジスタでは、絶縁体中の金属極薄膜層からのベース電極取り出しを主とするデバイス形成技術の確立により、温度77Kにおいて、この材料系では初めての微分負性抵抗を伴うトランジスタ動作を達成した。以上の成果により、金属・絶縁体を用いた量子効果超高速三端子素子を実現するために必要な理論的・実験的基礎が得られた。
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[Publications] T.Suemasu,et.al: "Metal(CoSi2)/Insulator(CaF2)Resonant Tunneling Diode" Japanese Journal of Applied Physics. 33. 57-65 (1994)
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[Publications] 渡辺正裕 他: "金属/絶縁体ヘテロ接合電子デバイス" 応用物理. 63. 124-131 (1994)