1991 Fiscal Year Annual Research Report
低損失X線導波路および高効率X線機能素子の基礎的研究
Project/Area Number |
03452180
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
宮崎 保光 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00023169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 信夫 豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (60170461)
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Keywords | X線ビ-ム波 / X線機能素子 / X線導波路 / 軟X線 / 散乱解析 / 高反射多層薄膜 / 反射解析 / 円柱格子 |
Research Abstract |
近年のX線の利用波長範囲の拡大により、X線による高精度計測、高密度信号光としての利用等の要求が高まっている。そこで本研究では、高効率なX線機能素子、X線反射鏡等の研究開発の基礎を築くことを目的とし、電磁界理論的な散乱解析、多層薄膜における軟X線反射解析の双方の観点から理論解析を行い、更にX線発生装置を用いてX線の反射特性の実験的基礎検討を行った。 1)X線ビ-ム波の媒質境界面における反射、散乱、回折特性の検討 原子レベルでの媒質境界面を疑似的に導体円柱格子とみなし、X線電磁波の反射、散乱、回折の解析を境界要素法を用いて行った。その結果散乱体数依存性、入射波長依存性、反射方向強度の入射角依存性等の基礎特性を得た。また更に境界面の不規則性が散乱特性に与える影響などについても電磁界理論的に検討を行った。解析に用いたモデルでは、現実モデルとの相違点がかなりある。今後、より現実に近いモデルでの解析および実験値との比較が必要である。 2)多層薄膜における軟X線の反射解析 Au/C、Pt/Si、Rh/Siなどの多層薄膜に対するX線波長領域における反射特性解析を行った。解析においては、膜厚依存性、入射角依存性を求め、比較的高い反射率を得た。特にRh/Si多層薄膜における反射率は80%であった。これらの解析結果より、各膜厚を高精度に制御できる蒸着法として分子線エピタキシャル成長法、RFスパッタ法などの検討、および高反射を成し得る多層薄膜の材料選定、膜厚の最適化を行った。現段階における成果は、実際のX線導波路実現に対し必要とされる反射率に比べて不十分なものである。今後、より理想的な高反射多層薄膜の設計および表面粗さなどを考慮した厳密な反射解析が必要である。 3)X線導波路の理論的検討 ファイバ型および平面回路型X線導波路の材料および構造の理論的検討を行った。また、ファイバ型導波路として屈折率分布型およびステップインデックス型による構成の検討を行い、伝搬モ-ドの解析も行った。更に導波路における境界面の不規則性によるモ-ド変換、散乱特性の解析を行い、導波路内における伝搬状況の基礎的特性を明確にした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Y.Miyazaki;,R.Ogawa: "Scattering Field Analysis of Electromagnetic Beams for Xーray Waveguides and Devices" Progress in Electromagnetics Research Symposium. S5A5,7. 682 (1991)
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[Publications] 小川 隆二,宮崎 保光: "複数導体円柱によるビ-ム波の散乱解析" 電気学会 電磁界理論研究会. EMTー91ー62. 71-81 (1991)
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[Publications] 小林 英敏,宮崎 保光: "多層膜における軟X線の反射・透過特性" 電子情報通信学会技術研究報告. MW91ー172. 51-56 (1992)
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[Publications] 宮崎 保光: "強誘電体薄膜を用いた光導波型機能素子" ニュ-セラミックス. 4(5). 79-84 (1991)
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[Publications] K.Hasegaws;,Y.Miyazaki: "Characteristics of Magnetostatic Surface Wave Waveguides for Optical Devices" Proc.of 11th Symp.on Ultrasonic Electronics,Kyoto 1990 Jpn.J.of Appl.Phys.30 Suppl.30ー1. 188-190 (1991)
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[Publications] Y.Miyazaki;,K.Manabe: "Scattered nearーfield and induced current of a beam wave by pits on opticaldisks using boundary element analysis" Proc.Radio Science. 26(1). 281-289 (1991)
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[Publications] 宮崎 保光: "高輝度青色発光のための電子材料技術." サイエンスフォ-ラム, 280 (1991)
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[Publications] 宮崎 保光: "誘電体セラミックス材料、第16章、" ティ・アイ・シィ-, (1992)