1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452191
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
市川 惇信 国立環境研究所, 副所長 (60016714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 清彦 東京工業大学, 総合理工学研究科, 助手 (10172397)
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Keywords | 神経回路網 / 知識表現形式 / 学習能力 |
Research Abstract |
本年度は,研究計画にしたがって,2つの部分について研究を行った. 第1は,神経回路網において,シナプス重みが変化することにより,その神経回路網が表わす論理式表現がどう変化するかを知ることである.まず少数の素子からなる基本的な回路構成である,並列,直列及びフィ-ドバック結合について論理的に検討を行った.その結果,シナプス重みの連続的な微小な変化に対し,それに対応する論理式集合が飛躍的に変化する場合が見出された.特にフィ-ドバック結合にこのような局面が存在するときには,全体に論理式集合の大幅な変化が存在することが観測された.直列,並列,およびフィ-ドバック結合からなる全体の構造と,論理式集合の変化との関連を,論理的に明かにすることは,現在のところできていない.当初の計画のように,大量のシミュレ-ションを行って,領域区分を実験的に求めることから出発せざるを得ないものとおもわれる. 第2は,神経回路網表現において,論理式表現では表現できない,手がかりとなる特異的な性質を把握することである.ふくろうとか猫とかでは,音の方向定位のために,左右の耳に達する数マイクロ秒の音のずれを検出することが知られている.神経の応答時間が1ー数ミリ秒であることを考えると,これは特異的な現象である.これに対し,ずれを検出する神経回路網を構成し学習を繰り返したところ,約1ミリ秒の応答速度を持つ神経素子磯を用いて数マイクロ秒を検出できることが示された.これは,論理式集合では本質的に実現できない性質であり,学習における神経回路網と論理式表現との大きな相違が見いだされたといえる.
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Research Products
(1 results)