1992 Fiscal Year Annual Research Report
船の操縦性能推定におけるデータベースシステムに関する研究
Project/Area Number |
03452195
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小瀬 邦治 広島大学, 工学部, 教授 (40034409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 法隆 広島大学, 工学部, 助手 (80181163)
平尾 三郎 広島大学, 工学部, 助手 (70181138)
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Keywords | 船舶操縦性 / 操縦性推定法 / データベース / 操縦流体力 / 船体舵相互干渉 / 操縦性基準 / 実船操縦性試験 / 拘束操縦性試験 |
Research Abstract |
本研究では、各種船型と操縦流体力、さらには操縦性試験の実績を収集、整理してデータベースを構築し、船型を考慮して、実用的な精度で操縦性能の推定を行なう手法の確立をめざして、研究を推進すると共にIMOで検討中の操縦性能基準の審議に資するため、規制可能な操縦性能のレベルを検討することにした。 まず、船型、流体力特性、操縦性能に関するデータベースを構築したが、流体力に関しては約40隻、操縦性能に関しては約760隻分のデータベースが構築でき、後者は世界最大のものである。このデータベース間の関係を表現するモデラーの開発を進め、船の船型主要目から操縦性能を推定する試みを進め、旋回性能の推定式を得たが、針路安定性を表すZ試験のオーバーシュート角は船型主要目のみでは適当な推定式が得られないことが分かった。これは船尾形状等が及ぼす影響が大きいためで、すでに公表している船尾形状が船体に働く流体力に及ぼす影響に加えて、船体の整流効果について検討した。 主船体と操縦流体力との関連を表すモデラーについても、検討を進め線形微係数については主要目の影響を調べた。しかし、この場合にも船尾を中心にしたフレームラインの影響が大きく、主要目だけでは実用性のある推定が困難なことが分かり、さらに推定精度を向上させるために理論計算手法の見直しを推進しつつある。これについては最長体理論の適用を進めており、計算自身は可能になっており、データベースと結合しての第一次的な解が近い将来得られる見通しである。 操縦性基準の性能レベルについてはデータベース解析から可能なレベルを推定し、IMOに提案した。 以上、一部に推進中のものはあるが、本研究は所定の成果を挙げつつあり、操縦性能の推定精度の向上に有効であることが分かった。
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[Publications] 小瀬 邦治、細川 護久、山田 秀光、秋藤 研二: "特殊舵の性能推定法に関する研究" 西部造船会会報、. 84号. 49-57 (1992)
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[Publications] K.Kose,W.A.Misiag,J.Zhu,S.Hirao:"Database System Approach for Maneuvering Performance Prediction," Journal of the Society of Naval Architects of Japan,. 172. 375-382 (1992)
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[Publications] 小瀬 邦治、W.A.Misiag、南部 幸則、久保崎 浩、高見 雄三:"パイロット操船から見た針路不安定の許容限界に関するシミュレータスタディ そのIIIー変針を主体にした操船ー" 日本航海学会論文集. 87. 155-161 (1992)
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[Publications] Zhu Jun,K.Kose:"Calculation of Effect of Ship Form on the Hydrodynamic Force for Ships in Oblique Motion Using Slender Body Theory" Transactions of the Chinese Society of Naval Architecture and Marine Engineering,. 114. 20-27 (1992)
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[Publications] K.Kose,W.A.Misiag: "The Database System Approach for the Maneuverability Prediction and the Direction of the Future Research," Proceedings of International Workshop on Maneuverability Prediction,Fukuoka,1992. (1992)