1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452196
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
姫野 洋司 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50081394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 茂 大阪府立大学, 工学部, 助手 (30208136)
高松 健一郎 大阪府立大学, 工学部, 助手 (10081390)
馬場 信弘 大阪府立大学, 工学部, 講師 (10198947)
平野 進 大阪府立大学, 工学部, 講師 (70081388)
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Keywords | 大阪湾 / 停滞性水域 / 環境改善 / 潮流 / ナビエ・スト-クス方程式 / 有限体積法 / 境界適合座標系 / 振動流 |
Research Abstract |
境界適合座標系を用いて境界条件を高精度に近似し、格子系の歪みによっても保存性が破壊されない有限体積法による離散化方法を確立した。2次元ナビエ・スト-クス方程式をこの有限体積法によって解き、複合周期の潮汐流の予測を行なった。明石、紀淡両海峡を通過する流量流速を振動させることによって起潮し、エンジニアリング、ワ-クステ-ション(EWS)を用いて大規模な数値計算を行なった。 大阪湾の海岸線は複雑であり、また人工島を任意の位置に設定した場合の計算を実行するためには境界形状に対して柔軟性のある計算法が必要である。そのため境界適合座標系を用いて境界条件を高精度に近似し、格子系の歪みによっても保存性が破壊されない有限体積法による離散化を行なった。しかし、入り組んだ海岸線を正確に扱うとすると格子系の生成は予想外に難しく、直交条件を課す等、細かい配慮が必要であることがわかった。 第5管区海上保安本部を通じて日本海洋デ-タセンタ-より大阪湾の潮流観測デ-タを入手し、EWSを用いてこの観測デ-タの解析を行なった。大規模な数値実験と観測デ-タとの定量的な比較を行なった結果、全体的には良く一致し、本計算法が大阪湾の環境改善のための流れの解析に極めて有効な方法であることがわかった。しかし瞬間の速度場については、局所的に、特に両海峡付近においてかなり差があることも判明した。この局所的な差について詳しく検討した結果、計算される瞬間の速度場は流入、流出境界となる明石、紀淡海峡付近の地形に敏感であり、計算領域の取り方が重要な問題の1つであることがわかった。さらにリモ-トセンシング画像との比較を行なったところ、これは計算結果と極めて類似しており、このことより、観測デ-タの精度の方に問題があるという疑いも生じてきた。
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