1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452197
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
倉西 茂 東北大学, 工学部, 教授 (70005221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中沢 正利 東北大学, 工学部, 助手 (20198063)
岩熊 哲夫 東北大学, 工学部, 助教授 (60120812)
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Keywords | ケ-ブル / 浮力 / フロ-チング基礎 / 安定不安定 |
Research Abstract |
本年サブマ-ジドフロ-チング基礎の最も基礎的なモデルとして考えたのは,4本のケ-ブルで係留された球状浮体であり,その浮体は簡単のため剛体とした。したがって最も重要な力学要素はケ-ブルであり,そのケ-ブルの流体力および浮体からの外力に対する応答の伝達がまず研究対象であった。ケ-ブル方程式は真空中ならば既に厳密に定式化されており,解もカテナリ-と呼ばれている。ここではそれに流体力と浮力を考慮した支配方程式を導く必要があったが,従来浮力はケ-ブルそのものを水中重量を有するもので置き換えることによって考慮されていた。これが,今年度の研究で危険側の算定になり得ることを解明した。したがって,水中重量を有するカテナリ-解と,厳密に浮力を考慮した場合の解の差異は,特に長いケ-ブルが水深の大きい場所に用いられた場合に大きくなることを示すことができた。 この解析結果を基に,基礎として用いた場合の第一主要荷重である浮体の鉛直外力に対する耐荷力を,浮体の沈下曲線から定義し,それを基準外力として,ケ-ブル自体に作用する流体力・浮力,浮体に作用する流体力・浮力,浮体に作用する外力の7つの要因を変化させケ-ススタディ-を行うための数値解折式を誘導した。数値解析上の効率は当面の目的ではないので,単純にケ-ブルの係留点と浮体とを端点とする2点境界値問題として定式化し,繰り返し法によって非線形1階常微分方程式を数値解析した。その結果,ケ-ブルについては流体力や浮力そのものよりも張力が剛性に対する第一要因であり,予め与えられるべきケ-ブルプレテンションが設計においては非常に重要なパラメ-タであることを示唆することができた。また浮体については,潮流力等の流体力も重要な要因であることが明らかになった。今後はケ-ブル張力を中心として,この構造の剛性・安定性の評価を行う必要がある。
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