地震火災時の人間の避難行動に関する実験およびシミュレ-ション研究

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 03452198
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 山崎 文雄 東京大学, 出産技術研究所, 助教授 (50220322)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 大槻 明 清水建設, 大崎研究室, 主任研究員 ; 永田 茂 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (50217999) ; 片山 恒雄 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70013216)
• Keywords: 避難 / 地震火災 / 人間行動 / 被験者実験 / 迷路 / シミュレ-ション

Research Abstract

研究の進展状況としては、まず、都民防災教育センタ-の煙体験コ-ナ-の迷路を利用して、40人の被験者に対して避難行動の実験を行ったこの実験では、迷路内で突然真っ暗になった場合などの行動を観察するとともに、被験者に対してアンケ-ト調査を行い、心理状態の把握を行った。さらに被験者に対し、性格テストを行い、性格と行動との関連について調査した。その結果、真っ暗になった時や迷路から脱出できず時間が経過していく時などに、多くの被験者が焦りを感じていることが分かった。また迷路内での行動パタ-ンは、大まかにみて3つに分類できそれらは性別や性格などの個人特性と関連があることが分かった。今回は、行動パタ-ンというやや主観的な指標を用いて分類したが、対象とする場(迷路や建物など)に依存し、一般性に欠けている。今後、一般性があり、より定量的な行動指標を見つけることが必要となろう。
また新聞、雑誌、消防庁資料等より被災例の文献調査を行い、実際の災害における被災の様子や避難行動がどのように行われたかを、整理しまとめた。しかし、詳しい避難行動が分かるような資料は少数であった。
設備としては、ワ-クステ-ションHP Apollo 9000を講入し、これを用いて、迷路実験結果を再現するような避難シミュレ-ション・プログラムの開発を開始した。ここでは、経路選択を個人特性に基づく簡単なファジィ推論により行っている。現状では、幾人かの行動は比較的よく再現しているが、このモデルでは充分説明できない場合も多いことが分かった。また今後、心理の時間的変化を取入れる必要があろう。

Research Products

• [Publications] 横山 秀史,永田 茂,片山 恒雄: "フラクタル次元を用いた人間行動の定量的分析" 生産研究. 43. 41-44 (1991)
• [Publications] 山崎 文雄,永田 茂,横山 秀史,大槻 明: "避難行動の迷路実験結果" 土木学会論文集. 441. 223-227 (1992)
• [Publications] 横山 秀史,永田 茂,山崎 文雄,片山 恒雄: "迷路実験に基づく緊急時の人間行動特性" 第21回地震工学研究発表会講演概要. 657-660 (1991)
• [Publications] 横山 秀史,片山 恒雄,山崎 文雄,永田 茂: "迷路を用いた避難行動実験ー人間行動の分析ー" 土木学会第46回年次学術講演会概要集I. 24-25 (1991)
• [Publications] 永田 茂,片山 恒雄,山崎 文雄,横山 秀史: "迷路を用いた避難行動実験ー実験概要ー" 土木学会第46回年次学術講演会概要集I. 26-27 (1991)
• [Publications] 横山 秀史,山崎 文雄,片山 恒雄: "緊急時人間行動に関する迷路実験とモデル化の検討" JCOSSAR'91論文集. 191-198 (1991)