1991 Fiscal Year Annual Research Report
超音波を用いた鋼部材中の欠陥検出の高精度化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
03452200
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三木 千寿 東京工業大学, 工学部土木工学科, 教授 (20016645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘石 和雄 東京工業大学, 工学部, 助手 (80227107)
北原 道弘 東海大学, 海洋学部, 助教授 (60135522)
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Keywords | 超音波 / 数値シミュレ-ション / 超音波エコ- / 無反射境界 / トモグラィ / 画像化 |
Research Abstract |
鋼部材中の欠陥から反射する超音波の挙動を観察するために、有限要素法を用いて超音波波動伝播の数値シミュレ-ション手法を開発した。解析モデルの周辺には無反射境界を導入し、解析時間および記憶容量の節約を可能としている。この数値シミュレ-ションにより、波動伝播挙動の視覚化および任意位置での時間応答解析が自由に行えるようになった。 開発した数値シミュレ-ションにより、先端半径の異なる3タイプの欠陥(円,楕円,スリット)を中に含む鋼部材を対象として、波動の伝播解析を行い、それぞれの欠陥からの反射波の特性の違いを明らかにした。また欠陥形状識別のためにはどの位置から超音波を入射し、どの位置で観測するのが適切であるかについて検討した。さらに、超音波を鋼材表面上の複数の点から入射したときの、鋼材表面における欠陥からの反射波を数値シミュレ-ションにより再現し、これにトモグラフィの手法を適用して内部欠陥像の再構築を試みた。先端半径の差によって欠陥像にも違いが生じるが、現在のところ欠陥像はあまり精度よく再現できるとはいえず、内部欠陥の精度良い画像化は次年度への継続課題と考えている。 超音波探傷装置により鋼部材中の欠陥形検出のための基礎実験を行った。実験は独自に開発したオ-トマチックスキャニング装置および実験水槽を用いて実施した。円孔,楕円孔,スリットを有する鋼材試験体に対して探傷実験を行い、欠陥形状によって生じる反射エコ-の特性を明らかにした。また実験によって得られた欠陥形状による反射エコ-の特性は、数値シミュレ-ションで得られた結果と定性的に一致することが確認できた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 三木 千寿: "散乱超音波法による欠陥形状識別の試み" 土木工学における非破壊評価シンポジウム. 81-86 (1991)
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[Publications] 三木 千寿: "超音波の数値シミュレ-ションと非破壊検査への応用" 土木工学における非破壊評価シンポジウム. 43-50 (1991)
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[Publications] Chitoshi MIKI: "Numerical Simulation of Ultrasonic Pulseーecho Inspection" Proceedings of JSCE.