1991 Fiscal Year Annual Research Report
植生の気候緩和効果に関する土・植・気圏を一体とした水文学的研究
Project/Area Number |
03452207
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
日野 幹雄 東京工業大学, 工学部, 教授 (30016323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 学 東京工業大学, 工学部, 助手 (90234161)
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Keywords | 植生の気象緩和効果 / 土・植・気圏 / 雲の発生・発達 / 降雨の発生 / 地形効果 / 気温 / 湿度 / CO_2 |
Research Abstract |
(1)都市内緑地の気候緩和効果:東京都目黒区の広大な自然教育園の気象デ-タと周辺の観測デ-タを解析し、植生がもつ都市内緑地の気候緩和効果を調べた。 (2)植生内気流のLES(Large Eddy Simulation)による解析:乱流の局所等方性理論を根拠とするLESモデルにより植生層を含む乱流場の3次元シミュレ-ションを行い、植生の特性・葉面積密度と平均流速分布、各流速成分の乱れ強さの分布、レイノルズ応力の分布を求めた。また、植生層と気流層の間の流速分布が変曲点をもつため、流れの不安定により両層の間に大きな渦列が発生することも示した。これは実現象における“穂波"現象である。 (3)現地における植生層内外の観測:上記の結果と比較するため、広い一様なサト-キビ畑において、琉大の協力のもとに植生層内外の気流速度、乱れ、CO_2の分布を測定し、乱れの構造とフラックス間の関係を示すデ-タを取得できた。 (4)孤立峰まわりの成層流の流れと雲の発生:アダブティブ・グリッド構成プログラムを作成し、一般座標系による土・植・気圏一体数値シミュレ-ション・モデルを完成した。これを用いて、孤立峯まわりの温度成層流の数値シミュレ-ションを行い、気流パタ-ンのカルマン渦や内部重力波、跳水の発生を示し、これに伴う雲および雨粒の発生を計算し、孤立峰上の笠雲や孤立峰背後のブ-メラン型雲の発生を示した。 (5)リモ-トセンシング・デ-タによる環境解析:衛生面像の解析から、都市内の緑地が気温分布に及ぼす影響、都市およびその近郊における積雲の分布パタ-ンの特徴、水域に接する都市の周辺での雲列の発生、太陽の直射が孤立峯まわりの温度分布に与える影響、孤立峯と雲の分布を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 日野幹雄・神田学: "外的因子の日変動・短時間変動に対する植物の応答性について" 土木学会第46回年次学術講演会概要集. 46. 108-109 (1991)
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[Publications] 日野幹雄・神田学・稲垣聡: "植生ー大気境界面での運動量輸送に関するLESモデルによる検討" 水工学論文集. 36. (1992)
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[Publications] 日野幹雄・神田学・土岐道夫: "環境変化が植物蒸散及び流出に及ぼす影響について" 水工学論文集. 36. (1992)
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[Publications] 神田学・日野幹雄・前田俊一: "3次元任意地形周りの水文気象解析" 水工学論文集. 36. (1992)
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[Publications] 神田学・日野幹雄: "相変化が熱対流のマ-ジングに及ぼす影響(積雲の成長過程)" 水工学論文集. 36. (1992)
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[Publications] M.Kanda and M.Hino: "The role of soil moisture and water region on the urban climate" Proc.of IAHR. (1991)