1992 Fiscal Year Annual Research Report
長期予報の不確実性を考慮した渇水時の貯水池ファジー操作に関する研究
Project/Area Number |
03452210
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高棹 琢馬 京都大学, 工学部, 教授 (30025895)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 康人 京都大学, 工学部, 助手 (40227088)
堀 智晴 京都大学, 工学部, 助手 (20190225)
椎葉 充晴 京都大学, 工学部, 助教授 (90026352)
|
Keywords | 渇水 / 貯水池操作 / ファジイ理論 / ファジイシステム / ファジイ意思決定 / ファジイ多段決定 / 長期予報 / 不確実性 |
Research Abstract |
本研究では,渇水時の実時間貯水池操作の複雑さが, 1.操作の鍵となる情報が現在の貯水量と将来長期にわたる流入量予測情報であり,後者を十分な精度で得ることが現段階では困難であること, 2貯水池の操作方針は,目標貯水量と目標放流量によって規定されるが,これら2つの指針も場面によってそれぞれ目標,制約の両側面を持っており,意志決定の条件が明確に規定しづらいこと,といった2つの側面から構成されることに着目し,これらの問題に対応するため,貯水池への将来流入量の予測情報がファジイ集合で与えられる場合について,ファジイシステムおよびファジイ意志決定手法を用いた放流量決定手法について考察した.得られた成果は以下の通りである. 1.貯水池への将来流入量の予測情報がファジイ集合で与えられる場合には,現時刻以後の貯水量状態の推移がファジイシステムとして表現できることを示し,予測情報から状態推移を表す条件付きメンバーシップ関数を導いた. 2.目標放流量・目標貯水量によって規定される貯水池の運用方針をファジイ制約,ファジイ目標として表現することにより,両者を完全に満足できない場合でもできる限り与えられた方針に近い決定を行いうる決定方法を定式化した.これにより,目標,制約を表現するファジイ集合のメンバーシップ関数の形状を変えることで,両条件間の相互関係も表現できるようになった。 3.2.で記述した問題の解法として,ファジイシステムに関するファジイ多段決定法を導き,具体的な放流量決定方法を示した. 4.仮想ダム貯水池に本手法を適用し,制約・目標をクリスブ集合・ファジイ集合で与えた場合の比較を行い,後者が最適化条件を緩和することで節水対策を含んだ放流量決定を行える方法であることを確かめた.
|