1992 Fiscal Year Annual Research Report
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03452212
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土屋 義人 京都大学, 防災研究所, 教授 (90025883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 隆男 京都大学, 防災研究所, 助手 (30111983)
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Keywords | 安定海浜 / 海浜形状 / 沿岸漂砂量 / 海浜群 / 安定海浜方程式 / 天の橋立海岸 / 海岸侵食制御 / 安定海浜工法 |
Research Abstract |
本年度の研究成果を要約すれば、次のとおりである。 1)安定海浜の形成理論 まず、沿岸漂砂の不等流性を陽わに導入して、安定海浜の形状を表わす方程式を改めて誘導し、その理論解を求めた。それに基づいて海浜の形成特性を無次元表示し、そこに含まれる無次元諸量の関係で一般的に表示した。 2)現地海岸への適用性 次のような3つの研究を実施した。 (1)安定海浜の形成理論の適用性を検討するために、まず天の橋立海岸の進入波と海浜形状を撮影した空中写真を用いて、波の屈折特性を数値計算の結果と比較して砕破角を精度よく求めてから、安定海浜の形状を理論形状と比較した結果、両者はきわめてよく一致することがわかった。このことから、安定海浜の形成理論は静的および動的に安定な砂浜海浜の形状をきわめてよく表わすことから、海浜の安定化に当ってはこのような安定海浜群を形成させることが原理的に可能であることが結論できた。 (2)安定海浜の研究においては、沿岸漂砂量則の確立が重要であることから、大潟海岸で現地実験を実施した。その結果を解析した結果、投入土砂量が十分でなかったため、高波浪時についての検討はできなかったが、海浜変形の桟構の究明を行うことができた。 (3)安定海浜の形成法については、具体的に和歌山県の白良浜の拡大計画において応用したが、その結果延長600mに及ぶ静的に安定な砂浜を形成させることに成功した。その方法は自然の岬を延長し、人工のヘッドランドを設置して、その間に形成される2つの砂浜が同調する條件を見出すことにより、安定な砂浜を形成させるものである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 山下 隆男・土屋 義人 岩井 卓 遠藤 保彦: "スキャニング式海岸プロファイラーによる外浜海浜地形の3次元計測" 土木学会海岸工学論文集. 39. 401-405 (1992)
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[Publications] 土屋 義人 河田 恵昭 山下 隆男 芝野 照夫 川崎 正彦 羽原 伸: "Sandy Beach Stabilization:Preservation of Shirarahama Beach,Wakayama" Proc.23rd International Conference on Coastal Engineering,ASCE. 2. (1992)