1992 Fiscal Year Annual Research Report
地震動の伝搬と細長い建築物の応答の相互関係に関する研究
Project/Area Number |
03452223
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
須藤 福三 東京電機大学, 工学部, 教授 (30120116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝山 秀一 東京電機大学, 工学部, 助教授 (50120100)
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Keywords | 波動伝搬 / 位相差 / アレー観測 / traveling wave / 細長い平面形 / 応答 / 床変形 / ねじれ振動 |
Research Abstract |
本年度は、15の地震(マグニチュード4.1〜6.9)を観測した。この中で、最大加速度が最も大きかったのは、1992年4月23日の茨城県南西部地震のNS成分で、地中3ヶ所で、それぞれ68.92gal、90.45gal、76.08galを記録した。これらの地震について、地中地震計の記録を解析した結果、以下の知見を得た。 1.校舎の周辺の地中-15mの位置で実施した水平方向のアレー観測によれば、記録の応答スペクトルの周期0.2秒以下成分は、100m程度離れた観測点間で一般に変化していると考えられる。 2.相関係数を用いて、100m程度の距離を隔てた2観測点の記録に存在する位相遅れを評価する場合、両者が相関係数で0.7以上の相関を示すのは、地震動の周期0.2秒以上の成分である。 3.15の地震記録のうち4の記録において、周期0.2〜2.0秒の成分が波形を変えず一方向に伝搬する傾向を示した。このことは、これまで地震工学の理論で想定していたtraveling waveが、実際の現象としても存在しうることを示している。 4.観測した地震の震源深さと位置を地図に記せば、記録が波形を変えず一方向に伝搬する傾向を示した地震の震源は、北緯35度50分〜36度30分の茨城県南部と茨城県東方沖の領域に集中しており、太平洋プレートに近い位置にあるものに限られていることが判った。このことは、観測点における地震動の伝搬性に、発電機構や地震波の伝搬経路の問題が関与していることを示唆するものである。 また、昨秋連動させたSMAC-MD型地震計と既存設備であるSMAC-M型強震計との位相特性を合わせるためのフィルターも作成が完了したので、最終年度は、伝搬する地震動が作用した場合の構造物の応答を中心に、研究を展開して行く予定である。
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Research Products
(2 results)