1991 Fiscal Year Annual Research Report
反射映像がものの見え方に及ぼす影響の評価に関する研究
Project/Area Number |
03452226
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 隆二 大阪大学, 工学部, 助教授 (10029275)
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Keywords | 光幕反射 / 反射像 / 色の見え方 |
Research Abstract |
視点と視対象の間に介在するガラス等の表面に、窓や照明器具の反射像が形成されることによって、視対象の見え方は阻害される。この阻害の程度を客観的に評価する手法を誘導することが本研究の目的である。 ここでは、有彩色視対象の色が反射像によって、色ずれを引き起こす点に着目して検討を進めた。 先ず、反射像となる光源の分光分布、視対象の分光反射率分布およびガラスの分光正反射率分布と正透過率分布のそれぞれを放射輝度計で個別に測定し、それらを組合せることで、反射像が重畳した視対象の見えの色を決定する分光放射輝度分布が予測できることを検証し、実用の場で必要な数種のガラスを取り上げ、それらの分光正反射率と正透過率の資料を整備した。 次に、反射像の輝度だけを任意に変化させることができる装置を作成し、赤、黄、青、緑、紫の有彩色視標に様々な輝度レベルの反射像を重畳した条件下における視標の色の見え方についての主観評価実験を実施した。視標の一部に反射像を重畳させて、重畳部と非重畳部の色の違いを評価させた結果、視標輝度の1〜2%輝度の反射像が重畳すると、色の違いが認識され、反射像の輝度が30〜40%になると、非常に大きな差異を生じることが判明した。 また、視標全体を覆う反射像の場合には、反射像の輝度の上昇に伴って、有彩色視標の色が徐々に失われ、視標輝度の1.2〜1.5倍の反射像が重畳すると、白く見え視標の色が完全に消失することが判明した。さらに、反射像の色の見え方に対する影響度には、視標の色相による若干の差異が存在し、中でも緑が最も影響を受けにくいことが判明した。
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Research Products
(1 results)