1993 Fiscal Year Annual Research Report
大規模複合型地下街の適正な空間構成とその安全化に関する建築人間工学的研究
Project/Area Number |
03452233
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 光正 大阪工業大学, 工学部, 教授 (40028931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 正矩 大阪工業大学, 工学部, 教授 (60029337)
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Keywords | 大規模地下街 / 地下街火災 / 避難安全性 / 避難シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は、わが国有数の規模を有する梅田地下街(大阪市北区)を対象に、避難安全性からみた地下街の問題点を明らかにするために、地下街に火災が発生した場合の避難シミュレーション・モデルを構築し、いろいろな条件のもとでのシミュレーションを行なった。また、このシミュレーションの結果とこれまで行なってきた実態調査の結果をふまえて、大規模地下街を安全化するための考え方と、空間構成の適正化の方法についての提案をまとめた。研究成果の概要は以下の通りである。 1.大規模地下街の避難安全性の評価 梅田地下街を座標型とネットワーク型を混合した新しいタイプの空間モデルで構成し、個々の空間単位や人、煙の挙動はオブジェクト指向言語を用いてプログラミングしている。オブジェクト化された人や煙はそれぞれの行動ルールにもとづいて行動するので、それぞれの性格を持ったオブジェクトの多様な動きが表現でき、実際の避難行動に似たシミュレーションが可能である。またこのシステムにはこれらのオブジェクトの動きをディスプレイ画面上にアニメーション化するプログラムが組み込まれており、時々刻々の避難状況を視覚的に把握することができる。このシミュレーションによって、出火場所や人口分布が避難行動に及ぼす影響、階段や広場の形状や配置などが及ぼす影響、避難誘導の方法が及ぼす影響などを明らかにした。 2.大規模地下街の安全化の考え方と空間構成の適正化 シミュレーションとこれまで行なってきた実態調査の結果をふまえて、安全区画の形成の仕方、階段・通路等の改善法、現行法規の問題点と改善法等について提案を行なった。
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