1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452250
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
本村 貢 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063736)
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Keywords | 積層材 / ラミネ-ト材 / クラッド材 / 急冷凝固法 / 単ロ-ル法 / 急冷凝固箔 / 複合材 / メルトスピニング法 |
Research Abstract |
溶湯から直接急冷凝固材のバルク材を得る方法を考案し,実験装置を試作し,急冷凝固バルク材の作製を試みた.以下にその結果を示す.現在10^6℃/s以上の冷却速度を得る方法の中では,単ロ-ル急冷凝固法が最も大きな冷却速度を得ることができる.この単ロ-ル急冷凝固法を応用し,急冷凝固箔の積層化を試みた.ディスクを回転させディスク表面に溶湯を噴出し,箔をディスク面上に幾周も固着させ積層材を作製する.このとき問題になるのは,積層した第1層(初めに形成された箔とディスクとの固着である.固着が不良であると積層の途中でバルクが飛散したり,バルクとディスク間の熱伝達が不良になる.第1層とディスクとの接触状態を良好にする条件について調査を行った.ディスク周速が速いほど第1層とディスク面との接触,固着状態は良好になった.ディスク周速が20m/s以上のときに第1層の箔はディスクに1周以上巻き付き,箔の積層化が可能になった.ロ-ル周速が高くなるにしたがい,各層は薄くなり,冷却速度は向上する.また,初期ディスク面温度が室温の場合より,100℃程度加熱した場合の方が第1層とディスク面との接触,固着状態は良好になった.一般には,ディスク面温度が高いほどバルク材の冷却速度は小さくなると考えられるが,ディスク面温度が高い方がディスク面と第1層との接触,固着状態状態が良好になるので,熱伝達状態が改善され結果としてバルク材の冷却速度は大きくなる.Alー12mass%Siを実験試料に用い,バルク材の作製を試みた結果50〜60層の箔の積層化に成功した.一層の厚さは30〜50μmであった.冷却速度は,10^4℃/s程度であった.定常化したところでは,層の間に隙間が存在せず界面が明確に判断できた.積層化したにもかかわらず大きな冷却速度を得られることが明らかになり,研究の第1段階の目的を達成できたものと考えられる.
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