1992 Fiscal Year Annual Research Report
金属間化合物基複合材料の界面反応制御による高強度化
Project/Area Number |
03452253
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
花田 修治 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉見 享祐 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80230803)
斉藤 栄 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40134035)
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Keywords | 金属間化合物 / 複合材料 / 接合 / 界面反応 / 界面強度 / Ni_3Al |
Research Abstract |
Ni_3AlとTa-Wとの接合材を高温に保持すると界面反応相として金属間化合物NiAl、Ni_3(Al,Ta)、Ni_2TaおよびTa_2Niが生成する。保持時間が長くなるにつれてこれら反応相の厚さおよび反応生成物の粒径が増加し、それにともなって界面せん断強度が著しく低下することからNi_3Alの強化材としてTa-Wは適当ではない。これに対してNi_8AlとWとの接合材では高温保持中にWのNi_3Al中への拡散が起ると同時にNi_3Al/Wの界面はW側へ移動する。このとき界面強度は上昇するが、保持時間が長くなるとNi_3Al中にカーケンドルボイドが生成し、破断はボイドの連結で起るため、せん断強度は低下する。WはNi_3Alの高温強度特性向上にとって有望な強化材であることが明らかとなったので次にNi_3Alに第3元素を添加して界面強度と界面組織を調べた。第3元素としてNi_3Alの延性改善効果をもつB,Pd,Co,Cuを選んだ。Ni_3AlにBを添加すると界面強度が著しく上昇した。これはB添加により界面反応相の生成が抑制されるためである。高温で保持してもカーケンドルボイドの生成が極めて遅いこと(Ni_3Al/Wの界面の移動速度がB添加により著しく遅くなる)、界面反応相の生成が少ないこと(僅かに金属間化合物NiWが生成する)が原因となって界面強度は長時間低下しない。B添加材でのクラックは相境界で発生し、NiWの粒界を経由してW中(へき開破壊)を伝播するがB無添加材では相境界で発生したクラックがカーケンドルボイドまたはNiW中(粒界破壊)を伝播する。一方同一熱処理で比較するとカーケンドルボイドの生成量はCo,Cu,Pdの順に増加し、これに対応して界面強度は低下する。以上の結果から高温保持中の界面強度の低下を抑制するためには、界面に生成する金属間化合物の種類と量を制御すると同時にカーケンドルボイドの生成を抑制することが重要である。
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