1991 Fiscal Year Annual Research Report
PLE(位相制御エピタキシ-)法を用いたInGaAs系歪み量子井戸レ-ザの開発
Project/Area Number |
03452258
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
芳井 熊安 大阪大学, 工学部, 教授 (30029152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安武 潔 大阪大学, 工学部, 助教授 (80166503)
川辺 秀昭 大阪大学, 工学部, 教授 (90028978)
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Keywords | 半導体レ-ザ / 位相制御エピタキシ- / 歪み量子井戸 / フォトルミネッセンス |
Research Abstract |
本研究では、位相制御エピタキシ-(PLE:Phase Locked Epitaxy)法により、これまで実用化されていない0.9〜1.1μm帯の発光波長が得られ、かつ発振特性に優れたInGaAs系歪み量子井戸レ-ザを開発することを目的とした。本年度は量子井戸レ-ザの活性層となる多重歪み量子井戸層作製の前段階として、MEE法によりIn_xGa_<1-x>As/GaAs単一歪み量子井戸薄膜の低温成長を行ない、その光学特性を評価した。また、MEE法にPLEの手法を導入することで、より優れた低温成長技術の開発を試みた。 MEE法により基板温度500℃以上で作製したIn_xGa_<1-x>As/GaAs単一歪み量子井戸薄膜のフォトルミネッセンス測定を行なった結果、井戸層からの鋭い発光ピ-クが観察され、その発光半値幅も極めて狭いことから、結晶性に優れた単一歪み量子井戸が作製されていることが確認された。 MEE法により基板温度440℃で作製したIn_xGa_<1-x>As/GaAs単一歪み量子井戸薄膜のフォトルミネッセンススペクトルを測定した結果、井戸層からの発光スペクトルに加え、欠陥準位からのブロ-ドなスペクトルも含まれており、通常の交互供給によるMEE成長では、450℃以下の低基板温度で光学特性に優れたIn_xGa_<1-x>As薄膜を作製するのは困難であることがわかった。 MEE成長時のRHEED強度変化をリアルタイムで観察しながら各Kーcellのシャッタ-開閉時期を決定し、III族原子とAs_4の供給開始時期およびAsの供給量を制御した結果、290℃という低基板温度で作製したIn_xGa_<1-x>As/GaAs単一歪み量子井戸薄膜においても、十分な発光強度を持つ井戸層からのピ-クが得られた。このことにより、MEE法に位相制御の手法を導入することの有効性を示した。
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