1993 Fiscal Year Annual Research Report
ハイドロリックフラクチャリングによる農業用フイルダムの内部浸食に関する研究
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03452270
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| Research Institution | Gifu University |
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Principal Investigator |
仲野 良紀 岐阜大学, 農学部, 教授 (40135182)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 真一 岐阜大学, 農学部, 助手 (90228221)
清水 英良 岐阜大学, 農学部, 講師 (90144005)
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| Keywords | フイルダム / かさ(蒿)上げ / 漏水 / ハイドロリックフラクチャリング / 火山灰ローム / 引張・圧縮変形係数 / 限界伸びひずみ / FEM築堤解析 |
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| Research Abstract |
1.前年度と同様に大谷内ダムの基礎地盤(火山灰ローム)に、オーガーで2〜5mの深さの孔を堀り、塩ビパイプ製の注入管を設置し、前年度までに購入した間隙水圧計、デジタル指示計等を用いて加圧注水による現場ハイドロリックフラクチャリング実験を行った。その結果、注入圧力が或る値以上になると注入水量が急増し、ハイドロリックフラクチャリング(以下「水理破砕」と呼ぶ)が生ずること、またこれは引張破壊によって生ずること、すなわち、軟らかい土ではせん断破壊によって水理破砕が生ずるとする従来の説は誤りであることを確認した。
2.基礎地盤を掘削した際に採取した乱さない試料について、前年度に購入した水理破砕実験装置や既存の三軸圧縮試験器を用いて、種々の側圧下でUU条件下での引張〜圧縮試験を行い、限界引張ひずみは0.1〜0.2%すなわち0.2%以下であり、圧縮破壊ひずみ0.8%の1/8〜1/4程度であることを明らかにした。また変形係数E_uは0.01%以上のひずみレベルでは非線形的に変化するが、引張側も圧縮側もひずみレベルが同じならほぼ同じ値を示しE_<50>〓1×10^4〓P_aである。またポアソン比ν=0.2〜0.3であることも確かめられた。さらに、この火山灰ロームは練り返すと著しく延性となり、限界引張ひずみも、破壊ひずみも顕著に増大することが明らかになった。
3.上記2で得られた力学定数を用いて、基礎地盤からの漏水の特に多いブロックII部の基礎を解析領域に含めた蒿上げ時のFEM築堤解析を行い、蒿上げ盛土の荷重で基礎地盤に破壊域が広範に発生することを確認した。
4.以上の結果に基づき、このダムの漏水は蒿上げの盛土によって基礎に生じた亀裂が貯水圧によって押し広げられる「水理破砕」によるものと考え、対策工として貯水池内の基礎地盤表面に練り返した火山灰ローム層を貼り付ける工法を施工したところ、平成5年度の試験湛水では漏水は殆ど無くなった。
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