1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452274
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村田 敏 九州大学, 農学部, 教授 (30038187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 孝尚 高知大学, 農学部, 教授 (70036739)
中司 敬 九州大学, 農学部, 助教授 (50128055)
河野 俊夫 九州大学, 農学部, 助手 (60224812)
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Keywords | 農産物 / 穀物 / 食品 / 品質 / 物理化学 |
Research Abstract |
1.農産物の凍結シミュレーション:平成4年度に凝固点を測定解析した果実汁4種、野菜汁3種、肉汁1種の計8種の溶液を1%の寒天で固化した円柱状の材料について、凍結実験を行った。温度は中心から側面の5点についてC-C熱電対で測定した。解析式は凍結濃縮による凍結点の降下を考慮した熱伝導のほうていしき新しく導いた。この方程式は極めて非線形性の強い方程式で、10分割選点法(重み付き残差法)によって数値解を導いた。未だ全部のかいせき修了していないが、実測地と極めて良い一致が見られた。 2.食品のヤング率とポアソン比の温度依存性の測定:農産物を含む食品は長い成形加工が不可能なため、力学的物性に関する標準引張測定法を適用することが出来ない。また、圧縮において、両端自由の条件を得ることが困難である。この測定では、チーズ、馬鈴薯、かぼちゃ、チョコレート、キューイ、さつまいも、さといも、対象材料として消しゴムを用い、円柱状に成形した材料を瞬間接着剤で逆に接着固定し、変位と抵抗を測定した。解析は両端固定に関するFilonの式を用いた。結果は温度との関係式にまとめられたが、いままでに得られていない成果が得られた。恐らく精度の上でも力学的物性については、はじめて信頼できる成果が得られたものと考えられる。 3.穀物の呼吸特性の測定:野菜類の呼吸特性に引き続いて米、籾、白米、小麦について温度と含水率との関係でそくてい行った。温度については野菜同様Arrhenius式に従うが、含水率との関係については目下、適切な式を模索中である。 4.精白米の吸水:温度と初期水分との関係で吸水特性を測定した。全体について、減率吸水第1段の特性を示し、吸水係数は温度との関係でArrhenius式に従い、整理された。 その他、昨年に引続き、穀物最適乾燥法、千切り大根のCA乾燥、精白米と玄米の吸湿特性、真空製粉、蒸米に関する研究も行った。
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[Publications] 村田 敏: "荷受けコンテナによる籾の乾燥(第2報)" 農業機械学会誌. 56巻1号. 13-20 (1994)
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[Publications] TAGAWA,A.& MURATA,S.: "LATENT HEAT OF VAPORIZATION IN BUCKWHEAT" TRANSACTIONS OF THE ASAE. Vol.36 No.1. 113-118 (1993)
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[Publications] 村田 敏: "食品溶液の凝固点降下の測定" 日本冷凍協会論文集. 10巻2号. 265-272 (1993)
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[Publications] 村田 敏: "白米とぎ汁の粒度分布の測定" 農業機械学会誌. 55巻5号. 141-145 (1993)
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[Publications] 村田 敏: "千切大根の乾燥特性-収縮を伴うみかけの減率乾燥-" 農業機械学会誌. 55巻4号. 83-89 (1993)
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[Publications] 村田 敏: "シリカゲル薄層の吸湿特性と固定層のシミュレーション" 農業機械学会誌. 55巻3号. 41-49 (1993)