1991 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の走動作と加齢によるその変容に関するバイオメカニクス的研究
Project/Area Number |
03452296
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
阿江 通良 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (10175721)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮丸 凱史 筑波大学, 体育科学系, 教授 (70057115)
|
Keywords | 高齢者 / 走動作 / バイオメカニクス / 画像解析 / 身体部分係数 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢者の身体部分係数を写真計測法および数学モデルを用いて算出すること、およびマスタ-ズランナ-(長距離)と一般成人の走動作をVTR画像解析法により比較し、高齢者の走動作の特徴、加齢および定期的な走トレ-ニングによる走動作ほの影響を横断的に明らかにすることである。 1.身体部分係数の算出については、写真計測用フレ-ムの改良などを行い、予備実験を行った。その結果、身体部分の体積の算出に関しては、概ね期待した結果が得られ、写真計測法が有効であることがわかった。しかし、本研究において身体部分質量の推定に用いるClauserらの身体部分密度をそのまま用いたのでは、全身体質量にかなりの誤差が生じることが文献的にも明らかとなった(Jensenによると、約7%)。したがって、最適の身体部分密度を決定するための予備実験を平成4年4〜5月に再度行い、その後100名の男子について本実験を予定である。 2.競技会に参加した男子マスタ-ズランナ-(年齢40歳〜81歳、46名)の疾走フォ-ムをVTR画像解析法で分析し、疾走速度、ストライド、ピッチ、下肢関節角度などを算出し、加齢に伴う疾走フォ-ムの変化をとらえた。その結果、加齢とともに、疾走速度は低下するが、これは主に非支持期におけるストライドの減少により生じていること、高齢者では離地時における足底屈曲および股関節伸展が減少し、体幹の前傾が増大するという特徴がみられることなどがわかった。一般成人高齢者については、平成4年8月までにVTR撮影を行い、同年12月までに解析を終了する予定である。
|