1992 Fiscal Year Annual Research Report
高熱負荷投入時の液体金属の非定常沸騰現象と二相流動特性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
03452300
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 晃 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (20016851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 実 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (90171529)
有富 正憲 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (60101002)
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Keywords | 液体金属の沸騰 / 非定常沸騰 / バルク加熱 / 液体金属二相流 / 慣性核融合炉 / 高熱負荷 |
Research Abstract |
高速炉における苛酷反応度事故,金属リチウム冷却核融合炉におけるプラズマディスラプション事故および炉容器内壁の液体金属流でパルス核融合反応のエネルギーを受けとめる慣性核融合炉等では,大きな過渡熱入力が固体壁または液体金属冷却材部に生じる。液体金属は急激な加熱のために昇温沸騰し,その急激な沸騰と発生圧力によって機器の健全性が損なわれる可能性がある。本研究では,これら未来の原子力エネルギー機器で遭遇すると考えられるパルス的高熱負荷投入時の液体金属の過渡流動特性について次の研究を行なった。(1)極狭間隙等制限された空間における非定常沸騰二相と発生圧力挙動,(2)壁面加熱とバルク加熱による非定常沸騰二相流特性の相違を明らかにする。 液体金属を内包する管に直接通電すると,管材料と液体金属部は電気的に並列回路を形成するので,熱発生割合は比低抗に反比例して増大するので,管材料を選ぶことにより,壁面加熱からバルク加熱に近い条件での非定常加熱が可能となる。本研究では,所定肉厚のステンレスおよびニッケルの細管に水銀を充填し,最大100KJまでの電気エネルギーを蓄える大容量コンデンサーの放電によりパルス加熱を行った。 実験では,投入エネルギー,加熱管の直径,加熱長さ,流出非加熱部長さなどをパラメータとして行ないつぎの研究成果が得られた。(1)壁面加熱およびバルク加熱とも熱入力が増大するにつれて,単一圧力ピークをもつ単一気泡の成長モードから,マルチ圧力ピークを持つ多気泡の成長モードへシフトする。(2)発生圧力は熱入力が大きいほど,また,非加熱長が長くなるにつれて大きくなり下流部の流体の慣性が発生圧力を支配してくる。(3)壁面加熱に比べ,バルク加熱が同一条件で約1桁大きな発生圧力を生じる。(4)通常の予想に反し,バルク加熱条件では,管径が大きいほど大きな発生圧力を示すことなどが明かとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 相田 達也,井上 晃: "非定常高熱入力時の熱・流体挙動に関する研究" 日本原子力学会1992年春の大会予稿集. M9. 599- (1992)
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[Publications] 相田 達也,井上 晃: "反応度事故時の熱流体挙動に関する基礎的研究" 第29回日本伝熱シンポジウム講演論文集. B131. 66-68 (1992)
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[Publications] A.Inoue,M.Aritomi M.Shinano,T.Hirabayashi: "Fundamentae Study on Thermo Hydrodynamic Bchavior in a Fuel Channel During a Severe Pover Trasient" Proc of Ist JSMEIASME Joint Internatoinal Conterence on Nuclcan Bngineering. Vol.2. 227-234 (1991)