1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03452303
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田辺 哲朗 大阪大学, 工学部, 助教授 (00029331)
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Keywords | プラズマ壁相互作用 / 水素イオン / イオン誘起発光 / 水素リサイクリング / 核融合炉第一壁 / バルマ-発光 / 反射 / 再放出 |
Research Abstract |
核融合炉第1壁における水素の吸放出のダイナミックスを明らかにする為、水素イオン照射中に固体から放出される粒子の種類、そのエネルギ-分布、あるいは放出される光の分析、が可能な装置の製作を試みた。本年度の成果は次の通りである。 既に現有していた水素イオン注入源、水素吸放出測定装置に、交付を受けた補助金で購入した分光器およびアルゴンレ-ザ-を取付けイオン照射中に放出される光の分光が可能なように改良した。そしてモリブデンおよび黒鉛を試料として水素イオン注入により放出される光の分光測定を行った。その結果、水素のバルマ-系列の発光が観測されたので、その強度及びエネルギ-シフトを調べたところ、この発光は入射した水素イオンが試料で反射される際に生ずる励起中性原子からの発光であり、しかも、そのほとんどは表面で弾性散乱された励起中性水素原子からのものであることが観測された。即ちこの発光を詳しく調べれば、表面での反射現象を理解する上で非常に重要な情報が得られる事が分かった。 バルマ-線の発光以外にも、試料からはエネルギ-幅の広い連続スペクトルが観測された。この連続スペクトルの強度は表面の清浄度によって大きく変化し、表面が清浄であればあるほど、その強度は減少した。また黒鉛を試料とした場合には、打ち込まれた水素が黒鉛と反応するため、CHあるいはCH_2分子からの振動回転スペクトルに相当するピ-クが検出された。 この様にイオン照射中の光分析により、水素イオンの衝突現象はもとより。表面の状態変化あるいは、標的固体と水素との反応までが調べられる事がわかり、来年度研究を継続することによりより大きな成果が期待できる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] k.Niwase and T.Tanabe: "Modification of Graphite Structure bu D^+ and He^+ Bombardment" Jounal of Nuclear Material. 179ー181. 218-222 (1991)
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[Publications] T.Tanabe and Y.Watanabe: "Hydrogen Behavior in Graphite at Elavated Temperatures" Jounal of Nuclear Material. 179ー181. 231-234 (1991)
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[Publications] T.Tanabe,M.Takeo and S.Imoto: "Effect of Sruface Oxygen on Reemission of Deuterium Implanted in Nickel" Jounal of Nuclear Material. 185. 286 (1991)
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[Publications] k.Niwase,T.Tanabe and I.Tanaka: "Annealing Experiment of Ion Irradiated Graphite by Laser Raman Spectroscopy" Proc.5th Inter.Conf.on Fusion Reactor Materials.Jounal of Nuclear Material. (1992)
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[Publications] T.Tanabe: "Hydrogen Permeation Study with Atomic Hydrogen Beam" Proc.5th Inter.Conf.on Fusion Reactor Materials,Jounal of Nuclear Material. (1992)
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[Publications] T.Tanabe,Y.Yamanishi and S.Imoto: "Hydrogen Permeation and Diffusion in Molybdenum" Proc.5th Inter.Conf.on Fusion Reactor Materials,Jounal of Nuclear Material. (1992)