1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03453005
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
国枝 博信 横浜国立大学, 工学部・物質工学科, 助教授 (60018041)
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Keywords | 逆ベシクル / レシチン / ラメラ液晶 / 二分子膜 / 小角X線散乱 / 非イオン界面活性剤 / リポソ-ム |
Research Abstract |
ポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤系における逆ベシクル生成と相平衡の関連について明らかにした。非イオン界面活性剤は温度により親水性から親油性に変化する。ちょうど性質が転換する温度(HLB温度)で、油を多量に含むラメラ液晶が存在することを見いだし、油の膨潤度を小角X線散乱で測定した。その結果、油が多量に存在すると液晶の面間隔が20nm以上に拡大し、逆2分子膜になっていることを確認した。そのラメラ液晶を油に分散させると逆ベシクルを生成することを微分干渉および蛍光顕微鏡で確認した。さらにHLB温度以下でも同様の結果を得た。すなわち、逆ベシクル生成には、 1)比較的親油性の界面活性剤を用いること、 2)小量の水の添加が重要であること、 3)ラメラの液晶が油を充分取り込めることが必要であることを明らかにした。この考え方を基にイオン性界面活性剤であるAersol OT+ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)系あるいはイオン性、非イオン界面活性剤混合系であるSDS+ジグリセロ-ルオレイルエ-テル系でも逆ベシクルが生成することを見いだし、相平衡との関連を明らかにした。さらに、レシチン等のリン脂質、アミノ酸誘導体、ショ糖エステルなど種々の両親媒性物質でも上記の条件を設定すれば逆ベシクルを生成することを上記の顕微鏡で確認した。また、逆ベシクルを急速冷凍し、割断し、レプリカを作製して透過型電子顕微鏡で観察し、逆ベシクルの微細な構造を観察した。弾性光散乱の実験が終了した後、両者の結果と比較して近い将来発表する予定である。また、ショ糖エステルにヘキサノ-ルを添加すると非常に安定な逆ベシクルを生成することを見いだしたので、現在、研究中である。
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[Publications] H.Kunieda,K.Nakamura,H.T.Davis,D.F.Evans: "Formation of Vesicles and Microemulsions at HLB Temperature" Langmuir. 7. 1915-1919 (1991)
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[Publications] H.Kunieda,S.Makino,N.Ushio: "Anionic Reversed Vesicles" J.Colloid Interface Sci.,. 147. 286-288 (1991)
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[Publications] H.Kunieda,M.Yamagata: "Conditions to Produce Reversed Vesicles" J.Colloid Inteerface Sci.,.
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[Publications] 中村 和吉,町山 美昭,国枝 博信: "イオン性、非イオン混合両親場異性物質による逆ベシクル生成" 油化学.