1992 Fiscal Year Annual Research Report
ハロゲン化アルキルピリジニウムの水溶液内ミセル形成とミセルの球棒転移
Project/Area Number |
03453007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
池田 勝一 名古屋大学, 理学部, 教授 (20022535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富山 徹夫 名古屋大学, 理学部, 助手 (20155576)
今栄 東洋子 名古屋大学, 理学部, 助教授 (80101161)
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Keywords | 界面活性剤ミセル / 塩化ドデシルピリジニウム / ヨウ化ドデシルピリジニウム / 光散乱 / ミセル分子量 / 球状ミセル / 棒状ミセル / 球棒転移 |
Research Abstract |
塩化ドデシルピリジニウムをAldrich社から買ってアセトンで再結晶し、その水溶液の表面張力を測定した所、臨界ミセル濃度以上で濃度の増加と共に減少した。塩化ドデシルピリジニウムのNaCl水溶液の光散乱を測った所、NaCl濃度を1Mまで増加する間は光散乱は増加するが、それ以上では減少することを見出した。しかし、デバイプロツトは正の勾配をもつ直線であった。そのミセルの会合数は水中で18.6、0.01MNaCl中で25.6で、恐らくミセルは多孔性である。0.05M以上のNaClの存在ではミセル会合数は43.5から71.9までNaCl濃度の増加と共に増加し、ミセルは球状である。 ヨウ化ドデシルピリジニウムは、臭化ドデシルピリジニウムを飽和〓NaI水溶液に溶かして氷冷で結晶を出し、これを繰返した後、アセトンで再結晶して得た。その水溶液の表面張力から臨界ミセル濃度は5.35×10^<-3>Mであった。そのNaI水溶液の光散乱はNaI濃度の増加と共に急増し、ミセルの成長を示唆する。デバイプロットは0.01M以下のNaIのとき正の勾配を示し、それ以上では負の初期勾配をもつと共に角度依存性を示す。これらの事実はNaI濃度0.007Mにおいてミセルは球、棒転移を起すことを意味している。ミセル会合数は水中で75.7、闊値で91.7であり、球状ミセルができている。それ以上では棒状ミセルができ、0.05MNaIで会合数1360に達する。棒状ミセルの会合数はデバイプロットの極小から求めたものである。その慣性半径は分子量の0.8乗と共に変り、棒がかなり剛いことを示す。 ミセル分子量とイオン強度とは両対数関係が直線となり、球状および棒状ミセルについてはそれからミセルの電離圧および水和についての値を得ることができた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 藤尾 克彦: "Size of Spherical Micelles of 1-Dodecylpyridinium Chloride in Aqueous NaCl Solutions" Bull.Chem.Soc.Jpn.65. 1406-1410 (1992)
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[Publications] 今栄 東洋子: "Size and Electrophoretic Mobility of C14TASal Micelles in Aqueous Media" J.Phys.Chem.96. 10030-10035 (1992)
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[Publications] 池田 勝一: "Solubilization of Spiropyran in Aqueous NaBr Solutions of Dodecyltrimethylammonium Bromide" Colloids Surf.67. 21-27 (1992)
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[Publications] 池田 勝一: "The Salt-induced Sphere-rod Transition of Dodecyl-pyridinium Iodide in Aqueous NaI Solutions" Colloid Polymer Sci.270. 1009-1017 (1992)
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[Publications] 根津 尚史: "Induced Circular Dichroism of a Cationic Porphyrin Bound to alpha-Helical Poly(L-glutamic acid) and beta-Form Poly(S-carboxymethy1-L-cysteine) in Solution" Bull.Chem.Soc.Jpn.66. 18-24 (1993)
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[Publications] 根津 尚史: "Induction of Circular Dichroism of the Soret Band of a Symmetrical Water-soluble Porphyrin Bound to Poly(L-lysine) in Three Conformations" Bull.Chem.Soc.Jpn.66. 25-31 (1993)
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[Publications] 根津 尚史: "The Interaction of Circular Dichroism of Symmetrical Porphyrins Bound to Random Coil Polypeptides in Aqueous Solutions" Internat.J.Biol.Macromol.15. (1993)