1991 Fiscal Year Annual Research Report
高圧下レ-ザ-フォトリシス法によるヘム蛋白質の構造と機能の動的解析
Project/Area Number |
03453009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森島 績 京都大学, 工学部, 教授 (50026093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石森 浩一郎 京都大学, 工学部, 助手 (20192487)
渡辺 芳人 京都大学, 工学部, 助教授 (10201245)
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Keywords | ヘム蛋白質 / レ-ザ-フォトリシス / 活性化体積 |
Research Abstract |
本年度は以下の点について研究を行なった。 1アミノ酸置換ミオグロビンにおける配位子結合反応の動的解析 ミオグロビンにおける酸素や一酸化炭素の結合反応においては、へム近傍の疎水性アミノ酸残基により形成されるクラスタ-が重要な働きをしているものと考えられる。そこで我々は、Leu29、Leu72、Leu104、Va166を立体障害の異なる他の疎水性アミノ酸残基に置換し、その配位子結合反応の解析から、29位の置換により配位子結合反応が著しく遅くなることを示してきた。今回、これらのアミノ酸置換体の高圧下での配位子結合反応を行ない、29位の置換体では一酸化炭素結合時の活性化体積(ー15から10cm^3/mol)の符号が異なり、また酸素の結合では大きく増加(3から13cm^3/mol)することが明かとなった。これは29位の疎水性アミノ酸残基の立体障害が変化することにより、配位子結合過程の反応速度が単に遅くなるだけではなく、反応機構までもが変化することを意味している。 2チトクロ-ムP450における配位子結合反応の動的解析 チトクロ-ムP450はその反応過程においてまず基質がヘム近傍に結合し、次に、酸素分子がヘム鉄に結合して、酸素添加反応が始まると考えられている。そこで基質結合時にヘム近傍構造の変化を明かにするため、基質の有無や種類によって配位子結合反応がどのように変化するかを検討した。その結果、基質が結合していない状態では一酸化炭素の結合反応速度が約10倍加速されるばかりではなく、その活性化体積の符号も変化し、ヘム近傍の構造が大きく変化したことを示している。また、基質としてdーカンファ-ではなくノルカンファ-を用いた場合でも反応速度、活性化体積共、基質の結合していない状態によく似ており、dーカンファ-結合した場合のみ大きな構造変化を起こることが明かになった。
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