1991 Fiscal Year Annual Research Report
非発光ラジカルの分光と希ガス準安定原子の反応のダイナミックス
Project/Area Number |
03453022
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西村 幸雄 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (50038577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関谷 博 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (90154658)
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Keywords | 非発光ラシカル / 多光子イオン化 / 希ガス準安定原子 / 反応ダイナミックス / 非線形分光 |
Research Abstract |
希ガス準安定原子による分子の励起・解離過程は,光照射や電子衝撃では生成が困難な電子状態への励起や化学種を与えるユニ-クな反応系である.しかしながら,主反応チャネルは非発光種生成過程であることが我々の研究結果により明らかになっている.本研究は,希ガス準安定原子とIV族化合物との反応について非発光性の生成物を検出・定量する方法を確立し,非発光性生成物の内部エネルギ-状態分布及び生成断面積を決定することにより,反応過程及びダイナミックスを明らかにすることを目的としている.今年度は希ガス準安定原子生成のための直流ホロカソ-ド放電部,IV族化合物との反応室,多光子イオン化のためのレ-ザ照射部及び飛行時間型イオン検出部からなる装置を試作した.レ-ザには現有のエキシマレ-ザ(XeCl)励起色素レ-ザを,イオンの飛行時間の測定にはリフレクトロンを用い,リフレクトロンに高電圧を印加するのに今年度購入した高圧電源を用いた。試作した装置の性能を確認するために,アセトンの193nm光の分解により生成するメチルラジカル(反応(1),(2))の多光子イオン化について検討した. CH_3COCH_3→2CH_3+CO(1),CH_3→CH_3+e^-(2) 現在,希ガス準安定アルゴン原子とCH_4との反応により生成するCH_3及びCH_2を(2+1)あるいは(3+1)共鳴多光子イオン化により,それぞれ,CH_3^+,CH_2^+として検出すると共に,CH_3,CH_2の電子状態,その分岐比並びに内部エネルギ-状態分布を明らかにしようとしている. (a)Ar( ^3P_<2.0>)+CH_4→CH_3+H+Ar CH_3→CH_3(3p^2A_2")→CH_3^++e^-,レ-ザ波長:350〜430nm (b)Ar( ^3P_<2.0>)+CH_4→CH_2+H_2(2H)+Ar CH_2→CH_2(Rydberg状態)→CH_2^++e^-,レ-ザ波長:380〜440nm
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