1991 Fiscal Year Annual Research Report
吸着物質の磁気分光特性と電極界面のin situ解析
Project/Area Number |
03453044
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
高村 喜代子 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (40057302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 文代 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (70057371)
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Keywords | 磁気旋光 / 電解 / 吸着 / 電極界面 / 光透過性薄層電極 / アドアトム / 核酸関連物質 / 旋光度 |
Research Abstract |
1.磁気旋光スペクトル測定装置及び電解セルの作製。 電解経過中の電極に磁場を印加し、その効果で誘起される電極界面吸着物質の旋光度を測定する装置を作製した。また、電解セル中には光透過性薄層電極(OTTLE)を設置した。OTTLEとして、石英ガラス上のAu、及びSnO_2の蒸着膜を作製した。ここで、本年度補助金で購入した定電位電解装置、及びロックインアンプは、それぞれOTTLEの加電位の規制、及び旋光度測定時の高感度光検出に使用した。 2.電極界面吸着物質の磁気旋光スペクトルの測定 (1)核酸関連物質の吸着層 アデニンを含む中性溶液中、12kGの磁場印加下でAu、及びSnO_2電極を電解したとき、ある電位範囲で旋光度変化が生じるのを実測した。その電位範囲は、光反射法、長光路薄層セル法などで観測したアデニンの吸着電位範囲とよく一致することから、本法によりアデニン吸着層に生じた磁気旋光性を捉えたことを確認した。AMPあるいはFMNなどの吸着についても同様な結果を得た。 (2)金属の吸着原子(アドアトム)層 Au電極へのPb及びBiのアンダ-ポテンシャルデポジションについて本法を適用した結果、両者のアドアトム層及びバルク層に対して明瞭な磁気旋光性の出現を観測した。しかも、磁気旋光度の波長依存性、ならびに磁場強度依存性はアドアトム層とバルク層とに明らかに差異が認められた。のことは、これらの層の磁気光学特性の相違を反映するものであり、本法により両層の識別が可能であることを示している。 本研究は末だ緒についた段階ではあるが、上記の結果は本法が電解生成超薄膜の磁気光学特性の評価法として有用なことを示しており、関心が寄せられている。
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[Publications] 楠 文代,湯浅 浩一,高山 裕典,北村 竜太郎,高村 喜代子: "Au電極/溶液界面の磁気旋光測定" 電気化学. 59. 345-348 (1991)
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[Publications] 高村 喜代子,楠 文代: "ADSORPTION STUDIES OF SOME INORGANIC AND ORGANIC SPECIES AT GOLD ELECTRODE/SOLUTION INTERFACES BY SPECULAR REFLECTION AND MAGNETOーOPTICAL ROTATION" Anal.Sci.7. 1431-1436 (1991)