1993 Fiscal Year Annual Research Report
mu-ピコリル白金属クラスターの合成と触媒能の発現
Project/Area Number |
03453053
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Research Institution | OSAKA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中村 幸雄 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (20047012)
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Keywords | ロジウム(III)錯体 / 複核ロジウム(III)錯体 / 2,6-ルチジン-ジイル架橋錯体 / C,N-キレート錯体 / アザ-pi-アリル錯体 |
Research Abstract |
2-ピコリンおよび2、6-ルチジンの関与したRh(III)錯体の合成と反応について以下の結果を得た。 1 大過剰の2-(クロロメチル)ピリジンおよび2、6-ビス(クロロメチル)ピリジンをウイルキンソン錯体RhCl(PPh_3)_3にトルエン中、室温で反応させたところ、Pd(0)との反応で先に得たC,N-架橋の2核Pd(II)錯体とは異なり、C,N-キレートした単核Rh(III)錯体[RhCl_2(C-N)(PPh_3)_2](C-N=C_5H_4N-2-CH_2,1or (6-CH_2Cl)C_5H_3N-2-CH_2,2)が得られた。 2 上記1で得た錯体1,2はPPh_3に関してシス体であり、加温すると熱力学的に安定なトランス体に異性化する。それ故、環流トルエン中では専らトランス体が得られた。これらのシス、トランス構造は^<31>P NMRの測定により決定された。 3 2-cisおよび2-trans錯体には更に酸化的付加を起こしうる炭素-塩素結合が存在している。トルエン中、110℃で2-cisに上記ウイルソン錯体を1:1のモル比に反応させるか,2,6-ビス(クロロメチル)ピリジンに対しウイルキンソン錯体を2:1のモル比に反応させることにより,2,6-ジメチルピリジン-alpha,alpha′-ジイル基が架橋した複核Rh(III)錯体3を得た。 分子量測定,NMRおよびFABマススペクトルにより,錯体3の構造が決定されたが,その構造は2,6-ジメチルピリジン-alpha,alpha′-ジイル基が一方のRh中心にC,N-キレート配位し,他方にeta3-1-azaallyl型配位しためずらしいものであり,溶液中C,C,N→C,C,Cアリル変換することを見い出した. 5 また錯体3はTl(acac)と反応し,上記配位子が非対称配位した構造をもつ複核錯体を得た.
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